スポーツをしている選手や保護者の皆さんは、「身長が伸びるのか?」「大きくなるのか?」と身長について気になることと思います。多くの競技では体が大きく、身長が高い方が有利な場合が多いため、周りよりも体が小さく、身長が低いと心配になったり、気になったりすると思います。

身長は両親の遺伝の影響もありますが、食生活、睡眠、休養、生活習慣、運動といった様々な要因があります。身長が伸びる時期に乱れた食生活や生活習慣、過度の運動などが重なると、そのチャンスを逃してしまいます。チャンスを逃さないためには、食事、生活、運動のバランスをしっかりとっていかなければなりません。

前回のコラムで骨の役割についてお伝えしましたが、今回は身長が伸びる仕組みについて簡単にお話しします。

身長が伸びるメカニズム、「骨端線」とは

身長が伸びるということは、骨が伸びているということです。人の体にはおよそ200個の骨があるといわれており、子どものうちは1個の骨の両端に「骨端線」という骨の細胞が密集している軟骨層があります。

骨端線は成長軟骨帯(成長板)とも呼ばれ、身長が伸びる子ども特有の軟骨組織に相当します。そこに、脳から分泌される成長ホルモンなどが働きかけることでカルシウムが沈着する骨化(軟骨内骨化)がおこり、骨は伸びていくのです。

成長期には、骨端線の組織内にある軟骨細胞の働きが活発になります。軟骨細胞は新しい骨を作る役割を持っており、それらが骨の細胞に置き変わっていくため、骨が縦方向に、つまり身長が伸びていきます。

成長期のピークが終わり、骨の成熟が大人レベルに達すると骨端線が見えなくなるため、「骨端線が閉じている」と表現し、身長が止まります。逆に骨端線が確認できる場合は「骨端線が開いている」として、まだ身長が伸びると考えられます。

「成長スパート」を逃さないために

これらが、身長が伸びる仕組みです。身長を伸ばしたいなら「成長スパート」を逃さず、食事、生活、運動のバランスを整える必要があります。

ただし、身長が伸びる時期は個人差があり、事前に分かるものでもありません。定期的に成長曲線を確認しておくこと、日頃からぐっすり眠り、食べる量と動く量を保ち、成長に使う分のエネルギーを確保すること、体の材料となるタンパク質、骨の元となるカルシウムなどの栄養素を意識して摂る必要があります。

今回は、タンパク質やカルシウム、カルシウムの吸収を高めるビタミンDがとれる「サバ缶と切り干し大根の炊き込みご飯」を紹介します。お米と一緒に、缶詰のサバ、戻した切り干し大根と調味料を炊飯器に入れて炊くだけ。作業が少なく、とても簡単に作れます。

白米よりも炊き込みご飯の方が食べやすいという方もいるでしょう。身長を伸ばすためのエネルギーと栄養素をしっかり摂りましょう。

管理栄養士・舘川美貴子