オミクロン株の感染拡大により、部活動、クラブ活動の休止が増えています。新型コロナウイルス感染症対策も3年目となり、「もう何回目なんだろう、またか」と度重なる活動休止に慣れてしまったり、「いつになったらできるんだろう」と不安を抱えながら過ごしたりする日が多いかもしれません。

しかし、ここで気持ちをマイナスのままににせずプラスに切り替えて、もう一度、「食事の基本スタイル」を確認してみませんか。休止中は普段より練習量が少なくなりますが、成長期の選手は体が大きくなる時期ですので、食事のバランスを崩さず、食事量が減らないように意識をしましょう。

毎食6品をそろえることを意識

3食で意識する最も重要なポイントは、「食事の基本スタイル」をそろえることです。

スポーツ選手の食事の基本スタイルとは、「主食」「主菜」「副菜」「汁物(副菜で代用することも可)」「果物」「乳製品」の6品をそろえることを言います。年齢や性別、体格、運動強度など様々な要因によって必要なエネルギーや栄養素量は異なりますが、この6品をそろえるスポーツ選手の食事の基本スタイルは変わりません

食事の基本スタイル

スポーツ選手の基本の食事のスタイル
スポーツ選手の基本の食事のスタイル

主食:ごはん、パン、麺類など(エネルギー源になる糖質を多く含むもの)

主菜:肉料理、魚料理、卵料理、大豆製品など(主に体の材料となるタンパク質を多く含むメイン料理)

副菜:野菜、海藻、キノコ類などを中心としたおかず(ビタミン、ミネラルなど体の調子を整える)

果物:ミカン、イチゴ、キウイフルーツなど(糖質、ビタミン、ミネラルが摂れる)

牛乳・乳製品:タンパク質、吸収の良いカルシウムが摂れる

そろえられなかった場合は次の食事で

例えば、昼食をおにぎり、うどん、フルーツだけだった場合、エネルギー源である糖質に偏り、体の材料となるタンパク質、ビタミン、ミネラルなどが不足して体をしっかりと作ることができなくなります。栄養バランスを整えるには、オムレツや卵焼き、豚肉と野菜の炒めものなどの主菜、みそ汁や野菜サラダ、おでんなどの副菜を一緒に摂ると良いでしょう。また練習後に、バナナとヨーグルトを補食として食べると、昼食と補食で「基本のスタイル」を整えたことになります。

3食とも毎回、6品をそろえることが理想ですが、忙しい朝に果物や野菜を含む副菜が不足した場合は、次の食事や補食で補充し、1日を通して不足がないようにすれば良いのです。3食ともごはんばかり、主菜ばかりというように偏ることなく、バランスを整えていきましょう。

食事もトレーニング、毎日の積み重ね

「基本のスタイル」を身につけるには毎回意識すること、毎日の積み重ねが大切です。どんな時でも食事はトレーニングの一部です。活動休止中も、当たり前のことを当たりにできるよう確認する時間にしましょう。

今回は、「豆腐ハンバーグトマト煮込み」を紹介します。合いびき肉と木綿豆腐のほか、タマネギ、マイタケ、シメジなどの野菜も入れ込んでいます。煮込みにするとハンバーグも焦げず、柔らかくジューシーに仕上がります。

管理栄養士・舘川美貴子