昨年1月のことです。3連休を目の前に、富山県は災害級の大雪に見舞われました。

雪国富山とはいえ、1日に一気に100cm以上もの雪が降ったことは初めてで、直接的な雪の被害もさることながら除雪作業が間に合わず、交通事故、スタック、高速道路や幹線道路の通行止めなど、交通網が麻痺しました。その影響で流通が止まり、スーパーやコンビニから食料が消える事態となりました。

スーパーやコンビニから食料が消えた

お店が休業するだけでなく、家から買い物にも出ることができなくなり、大規模災害時の備蓄をしていなかった多くの家庭では食べることが困る状況に。電気、ガス、水などのライフラインは通常通りだったものの、食料が手に入りませんでした。

特に手に入りにくかった食材は、牛乳、乳製品、大豆製品、うどんやそばなどのゆで麺、パンなど。時間がたつにつれ、野菜や肉類、魚類なども次第に少なくなってきました。おにぎり、お惣菜、お弁当など消費期限の短い食品は、ほとんどお店に並んでいませんでした。

いつもの食品の代わりになるものを考える

選手たちは、毎食摂取していた牛乳や乳製品、朝食の納豆、補食に食べていたパンなどが不足し、困ったようです。ここで考えなければならないことは「いつも食べている食品がないから食べなくてよい」ということではなく、「食べるにはどうしたらよいか。代わりになる食材はあるか」といったことです。

例えば、牛乳や乳製品は普段の食事で摂りやすく、良質のタンパク質、吸収の良いカルシウムが摂取できる良い食品です。置き換えられる食品で、タンパク質とカルシウムが同時に摂れるものとしては小魚、桜エビなど骨ごと食べられる魚ですね。

しかし、小魚ばかり大量には食べられません。タンパク質は肉、魚、卵、大豆、プロテイン(飲料やバー)で、カルシウムは切り干し大根、チンゲン菜、小松菜、ヒジキ、ワカメなどの海藻類やカルシウムを多く含むふりかけなどを選ぶと良いでしょう。

また、卵に桜エビを入れて卵焼きにしたり、ご飯にサケフレークをかけたりして足りない分を少しずつプラスすることも大切です。色々な事態に備え、対応をしていきましょう。 

ローリングストックを日頃から行う

大災害発生時の家庭での備蓄は、「最低3日分~1週間分×人数分」と言われています。非常食だけでははく、普段からよく使う食品を少し多めに購入し、食べたら買い足して常に一定数置いておくローリングストックを日頃から行っていくのが良いでしょう。

また、冷凍庫にはご飯やパン、冷凍野菜、冷凍食品などを保存したり、切り干し大根、ひじきなどの乾物、レトルトやフリーズドライの食品を備蓄しておいたりしておくのも良いですね。

災害時は食べるだけで、生活するだけで精一杯なこともあります。この冬は大雪にならないように願いながら、改めて備蓄などの見直してみましょう。

今回は、備蓄食材を利用したレシピ「冷凍ポテトのソーセージグリル」を紹介します。冷凍ポテトは油で揚げるイメージがあるかもしれませんが、焼いて調理することもできます。油を使用しない分、脂質を気にせず、手軽でボリュームのあるおかずが作れます。

食材を焼いてハーブソルト、マスタード、ブラックペッパーなどの調味料を加えたら出来上がり。チーズを上からかけてとろけさせても良いですね。

管理栄養士・舘川美貴子