新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、休校延長や分散登校、オンライン授業、部活動の中止や活動制限などで、学生アスリートは通常と違う過ごし方が続いているのではないでしょうか。予定されていたスポーツ大会の中止や延期、また、全国大会につながる県や地方大会の内容変更などで、モチベーションが上がらない選手も多いと思います。

目標が見えない中でのトレーニングはもちろん、食事の摂り方も難しいですね。運動時間が減り、家で過ごす時間が長くなると、普段は控えていたお菓子を食べすぎてしまうこともあるようです。時には、心の栄養としてお菓子やアイスクリームも良いですが、部活やスポーツが再開された時のことも考えて、体重管理やコンディション調整をしっかりしておくことが大切です。

補食の意味と役割、量と質

ここでもう一度、補食について考えてみましょう。

補食は朝食、昼食、夕食の3食では足りない分の栄養素を補うためのものです。1度の食事ではたくさん食べられないという場合でも、食事の回数を増やすことで、必要十分なエネルギー補給、栄養補給ができます。

運動しなくても体は日々、作られています。もちろん、練習がある時よりは、体を動かさないので補食の量の調整は必要ですが、質は変えないようにしましょう。

補食で摂りたい栄養素は

補食で取りたい栄養素としてはエネルギー源となる糖質、体の材料となるタンパク質、骨の材料となるカルシウム、コンディションを整えるビタミン類が挙げられます。体は死ぬまで絶えず分解と合成、つまり壊したら作り変えることを繰り返しているので、その材料となるものを取り入れましょう。

洋菓子やスナック菓子には、糖質だけでなく脂質も多く含まれているため、体脂肪の増加につながりやすく、「体作り」という点では適していません。また脂質は糖質以上に消化に時間がかかるため、運動のパフォーマンスを下げる原因にもなります。

「お菓子」を食べるなら補食にもなるカステラ、おまんじゅう、おもちなど和菓子が良いでしょう。また、甘くおいしい果物にも糖質、カリウムやビタミンCなど体を作るための栄養が多く入っているため、おすすめです。

アスリートにおすすめの補食

アスリートにおすすめの補食
アスリートにおすすめの補食

糖質=おにぎり、パン、サンドイッチ、サツマイモ、果物、カステラ、ようかん、お団子など

タンパク質=牛乳、チーズ、ヨーグルト、豆乳、卵、ツナ缶など

カルシウム=牛乳、チーズ、ヨーグルト、小魚など

今回は、今が旬のサツマイモを使った「サツマイモもち」を紹介します。レンジで蒸して作ることができるので、とても簡単で良い補食になりますし、季節感も味わえます。

どうしても、持ち運びできる補食はカステラやお団子…とマンネリ化しがち。焼きイモもいいですが、時には簡単に作れる「サツマイモもち」も試してみてください。

管理栄養士・舘川美貴子