私たちが普段、食事をする前に何気なく口にしている「いただきます」という言葉には、とても大切な意味が込められています。その意味を、ここで一緒に考えてみましょう。

なぜ口にする「いただきます」

(1)作ってくれた方への感謝の気持ち

単に料理を作ってくれた、調理した方にだけではなく、食べ物を生産、栽培、育ててくれた方々、魚などを捕ってきてくれた方、運んでくれる物流の方、この食事に携わる全ての人への感謝の気持ちになります。

(2)生命を「いただく」ことに対する感謝の気持ち

私たちは魚や肉、野菜など他の命をいただくことによって生きています。食べ残し、好き嫌いなどでいただいている命を無駄にしてはなりません。普段、忘れがちになるものですが、一度考えてみましょう。

食事の向こう側や「フードロス」を考える

日本では、フードロスも大きな問題となっています。農林水産省のホームページによると、日本の食品廃棄物等は年間2531万tで、その中でも食べられるのに捨てられている食品「食品ロス」の量は年間600万tとなっています(平成30年度推計値)。

また、日本人の1人当たりの食品ロス量は1年で約47kgとなっており、日本人1人当たり約130gになります。これは、毎日お茶碗1杯分のご飯を捨てているのと同じ量です(※)。

食事のたびに作ってくれた人、その向こう側にいる生産者、自分の命について考えてみましょう。たくさん食べ残したり、食べ物で遊んでしまったり、粗末にしたり、「いただきます」という意味を理解していなかった場合は、「いただく」意味を考えて理解を深めましょう。

今回は「タコとブロッコリーのガーリック炒め」を紹介します。タコにはタンパク質のほか、抗酸化作用を持つビタミンE、亜鉛などが多く含まれています。ブロッコリーも野菜の中ではタンパク質を多く含み、ビタミンCも豊富です。

ニンニクととても合う組み合わせの一品です。食材、生産に関わる方、調理者に感謝し、残さず食べましょう。

管理栄養士・舘川美貴子

※総務省人口推計(平成30年10月1日)平成30年度食料需給表(確定値)