急に気温が上がる5月は、体温変化や汗をかくことに体が慣れておらず、熱中症になるリスクが高い時期です。汗をかいたときは「しっかりと水分補給」と意識が高まりますが、水分補給は水を飲むだけでいいのでしょうか。

体に水分を補給する方法は、水や飲料からとるものと食事から摂取するものと、実は2通りあります。「食事からの水分」は忘れがちですが、ご飯、野菜、みそ汁、乳製品などにも水分が含まれています。

野菜や果物はほとんどが水分

米を炊く時には水が必要で、ご飯にはその水分が含まれています。みそ汁は、水分が多いことが分かりますよね。加えて、野菜や果物もほとんどが水分です。では、野菜や果物にどれくらいの水分が含まれているのか見てみましょう。

野菜と果物の水分量(100gあたり)

食材名    水分量(g)
チンゲン菜   96.0
レタス     95.9
キュウリ    95.4
緑豆モヤシ   95.4
白菜      95.2
セロリ     94.7
トマト     94.7
大根      94.6
ナス      93.2
ニンジン    93.5
キャベツ    92.7
カボチャ    76.2
イチゴ     90.0
スイカ     89.6
桃       88.7
梨       88.0
ミカン     87.2
パイナップル  85.2
リンゴ     84.1
ブドウ     83.5
バナナ     75.4
※日本食品標準成分表2020年版(八訂)より

野菜不足は水分不足になることも

このように、チンゲン菜やレタス、キュウリ、モヤシなどを筆頭に、野菜の成分の8割~9割は水分だということが分かります。バナナは少し低いものの、それでも約1本(100g)で約75gの水分がとれます。野菜や果物をしっかり食べていると、知らず知らずのうちに水分がとれているということになるのです。

逆に言うと、野菜の摂取量や食事量が落ちるとそれからとっていた水分量も落ちてしまい、水分不足になる可能性があるということです。水、お茶など飲み物からのこまめな水分摂取も大切ですが、野菜やご飯、みそ汁など食事からの水分も忘れてはいけません。

今回紹介するのは「豆腐のチョレギサラダ」。韓国料理で人気のチョレギサラダに豆腐を加えました。キュウリ、レタスといった野菜だけではなく、木綿豆腐から植物性タンパク質もしっかりとることができます。冷やしてから食べると、暑い夏でもおいしくいただけます。

野菜と言えばビタミン、食物繊維というイメージがあるようですが、水分もとても重要です。野菜嫌いは水分不足を招いてしまうかもしれません。そんなことも意識して、野菜を積極的に摂るようにしましょう。

管理栄養士・舘川美貴子