私が栄養サポートをする部活動のチームにも新入生が入部してきました。この時期には栄養セミナーを行い、基本的な栄養素の説明や普段の食事のポイントなどを伝えながら、自分ではどのようにできるのかを考えてもらいます。

毎年実施しているので、すでに2、3年生は理解し、1年生に知識を伝える係にもなります。そんな折、まだセミナーを行う前に行った遠征先で、うれしい出来事がありました。

練習後の補食のポイントは

試合が終わり、コンビニで補食を買っている時のこと。入部したての選手がチョコレートやスナック菓子を持って並んでいると、上級生が「こんなお菓子ばかりじゃ、体の回復はできないよ」と優しく声をかけ、自分たちが選んだ補食を見せて、おすすめの補食を説明したようです。

練習後の補食のポイントは、失ったエネルギーを取り戻すことと壊れた体の修復です。エネルギーは糖質、体の材料はタンパク質ですので、この2つの栄養素をしっかり摂ろうと日頃から伝えていました。

上級生の選んだ補食を見て下級生も

上級生たちが選んだ補食は、卵サンド、ハムサンド、100%オレンジジュース、カステラ、サラダチキン、100%パイナップルジュースなど。それを聞いて1年生が選んだ補食は、サケのおにぎり、サラダチキンでした。

1年生はまだ、セミナーを受けていなかったので知らなくても、できなくても仕方のないことですが、上級生はそこを見逃さず、しっかりと正しい知識を伝えていました。上級生たちが選んできた補食を確認すると、卵サンド、ハムサンドには糖質とタンパク質、100%オレンジジュースには糖質と2つの栄養素をしっかり含んでいます。ポイントを教えてもらった1年生も、それらを含むものを選び直しました。お菓子が悪いわけではありませんが、早く回復するにはお菓子では不十分です。

自分で理解、実践しているから伝えられる

自分で補食のポイントや選び方を理解して実践していないと、下級生に正しく伝えることはできません。後輩に伝えることは上級生の役割でもありますが、チーム全体としてとても成長している姿を見ることができました。とても小さなことですが、チーム全体として高め合うことは素晴らしいことです。続けていって欲しいものです。

今回は、1度は作ってみたいと高校生にも人気の「とろける卵サンド」を紹介します。パンと卵は糖質とタンパク質の組み合わせですので、練習後や試合後の補食に適していますが、いつもの卵サンドに飽きた時に、チーズ入りのオムレツサンドにしてみましょう。とろけ具合を楽しんで欲しいので、作った後はなるべく早く召し上がってくださいね。

管理栄養士・舘川美貴子