新学期が始まり、朝練が始まった部活動もあるのではないでしょうか。朝練が始まると、朝ご飯をしっかり食べられないという悩みが生じます。朝早いため、消化に良いとされる練習の3~4時間前に食事をすることはできませんし、食べてからすぐに練習すると消化不良による腹痛を起こす場合があります。

しかし、食べなければ体はエネルギー不足となり、練習でのコンディションが上がらず、疲れが取れない、ケガをしやすいなど体に良いことはありません。

それでは、朝早い練習があるときの食事は、どんな点に注意したらよいのでしょうか。

消化を考慮、水分とエネルギー補給

起床直後は体の血圧変化が大きく、体温も低いため、すぐに運動できる状態ではありません。就寝中にはあまり感じていないものの、汗をかいており、水分不足の状態になっています。

それを理解した上で、まず起きたら、就寝中に失った水分を補給しましょう。次に消化しやすいバナナなどの果物、果汁100%のオレンジジュース、エネルギーゼリーなどでエネルギーを補給し、少し時間的余裕があるときはパンやカステラ、おにぎりなどを食べることをお勧めします。

練習後30分以内に「朝食」が理想

朝練前にしっかり食べられない分、練習が終わったらすぐに「朝食」を食べましょう。なるべく30分以内が理想です。1度にたくさん食べられない場合は、何回かに分けて「補食」として食べてもいいでしょう。

ただ、学校や環境によっては朝食用のお弁当を持っていけないところもあるでしょう。そういった場合はエネルギー源の糖質、体を作るタンパク質、体の調子を整えるビタミンやミネラルが豊富な野菜類が一緒にとれるおかずおにぎりやおにぎらずが食べやすいですね。

糖質+タンパク質+野菜類を一緒に

例えば、サケの切身や焼肉、そぼろ、から揚げなどのタンパク質のおかずが入ったおにぎり。タンパク質源や野菜が入った炊き込みご飯やピラフのおにぎり。卵サンドやハムサンドといったサンドイッチ、具だくさんのやきそばなど。また、果物、100%フルーツジュース、ナッツ類、牛乳、チーズ、ヨーグルトなどは日持ちしやすく、手軽にミネラルがとれるので、メインにはなりませんが、いつでも摂れるよう持参しておくといいでしょう。

日によっては、お弁当を作れない時や補食の量が足りなくなることもあります。そういった場合はエネルギーバーやプロテインバー、スポーツドリンク、エネルギーゼリーなどの栄養補助食品も加えてみましょう。

朝食にも補食にも使える「炊き込みおにぎり」

今回は、朝練前の補食にも、練習後の朝ご飯にもおすすめの「サバ缶とエノキの炊き込みおにぎり」を紹介します。お米とサバの水煮缶、エノキタケ、調味料を炊飯器に入れて炊くだけ。夜のうちに準備をして予約設定しておけば、朝は握るだけです。

サバからはタンパク質のほか、DHA、EPAといった体に良い脂質も摂れます。これに野菜ジュース、ヨーグルト、ゆで卵を加えるとさらにバランスが揃います。

管理栄養士・舘川美貴子