すでにシーズンオフに入り、体作りの増量期間になっているチームや選手も多いと思います。

「増量」と言うと、肉、魚、卵などをたくさん食べて…とタンパク質に偏る傾向があります。しかし、動物性タンパク質を摂りすぎると、吸収されなかった分がそのまま腸内に送り込まれ、悪玉菌のエサになってしまい、腸内環境が乱れやすくなります。

腸内環境を整えるポイントの1つに、食物繊維の摂取があります。食物繊維は「ヒトの消化酵素で消化されない食品中の難消化性成分の総体」と定義されており、水に溶ける「水溶性食物繊維」と、水に溶けにくい「不溶性食物繊維」に分けられます。

腸内環境を整える食物繊維

水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のそれぞれの特徴と働きを説明しましょう。

水溶性食物繊維

<主な働き>
・胃腸内での消化吸収を緩やかにし、食後血糖の急激な上昇を防ぐ
・胆汁酸やコレステロールに吸着し、体外に排泄する
・大腸内で発酵し、善玉菌が増えることで、腸内環境を整える

<多く含む食品>
大麦、オートミール、納豆、ゴボウ、オクラ、ナメコ、昆布、ヒジキ、プルーンなど

不溶性食物繊維

<主な働き>
・腸内で水分を吸収して膨らみ、糞便量が増加し、便の排泄を促進する
・腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にさせるため、消化管の通過時間の短縮になる
・大腸内で発酵し、善玉菌が増えることで、腸内環境を整える

<多く含む食品>
切り干し大根、きな粉、おから、ひよこ豆、納豆など

このように食物繊維は、イモ類、野菜、海藻、キノコなどに多く含まれます。タンパク質だけでなく、食物繊維を意識して摂り、腸内環境を整えながら体作りをしていきましょう。

今回はタンパク質と食物繊維がとれる「牛肉柳川風煮」を紹介します。「柳川」と言えば、ドジョウですが、このレシピでは牛肉を使用しています。ゴボウ、キノコの風味がとてもおいしい主菜で、ご飯もすすみます。

管理栄養士・舘川美貴子