「夏バテ」とは、夏に起こる体調不調の総称です。主な自覚症状としては、次のようなものが挙げられます。

食欲不振
疲労感、疲労
倦怠(けんたい)感、無気力
脱水

夏は気温や湿度が高いため、食欲が沸かず、冷たい物、麺類だけといったように偏りが出て、栄養バランスを崩してしまいがちです。この時期、特に意識したい栄養素は「タンパク質」「ビタミンB群」。それぞれ説明していきましょう。

タンパク質減少で筋力、免疫力低下

タンパク質は体を作る筋肉、血液、ホルモンなどの材料です。食事量が減少すると、自然とタンパク質の摂取量も減るため、筋肉が落ち、免疫力の低下が起こり、疲労の原因となります。

タンパク質を多く含む食品は、肉、魚貝類、卵、牛乳、乳製品、大豆、大豆製品ですので、これらをしっかり摂るよう意識しましょう。

代謝に関わるビタミンB1不足で疲労蓄積

また、ビタミンB群は代謝に関わる栄養素で大切な役割を持っています。不足すると、代謝が円滑に行われにくくなり、疲れがたまりやすくなります。中でも夏バテ対策として意識したいのは、ビタミンB1とB2です。

ビタミンB1は、糖質からエネルギーを作り出すのを助けます。豚肉やウナギ、大豆、ハムなどに多く含まれており、不足すると、糖質がうまくエネルギーを作り出すことができず、疲労感が残ります。

ビタミンB2不足で口内炎や皮膚炎の原因

ビタミンB2は糖質だけでなく、脂質からエネルギーを作るために働きます。レバーや卵などに多く含まれており、不足すると、口内炎や皮膚炎などの原因となる場合があります。

今回は、タンパク質とビタミンB1を多く含む「豚肉の甘辛焼き」を紹介します。しょうゆ、砂糖、酒、みりんでご飯がすすむ味付けにしています。しっかり食べて、夏バテしないように食事バランスを意識していきましょう。

管理栄養士・舘川美貴子