暑さに慣れないこの季節、熱中症予防のために練習中の水分補給も重要ですが、普段の食事からもしっかりと水分を摂りたいものです。熱中症とは、高温・多湿な環境に身体が適応できないことで、生じるさまざまな症状の総称です。

 症状としては、以下があります。

熱失神:皮膚血管の拡張によって血圧が低下し、脳への血流が悪くなることにより起こる。めまい、顔面蒼白、一時的失神、脈拍が速くなる。
熱けいれん:大量に汗をかき、水だけを補給して血液のナトリウム濃度が低下した時に、足、腕などの筋肉にけいれんが起こる。足がつる。
熱疲労:大量に汗をかき、水分の補給が追いつかないと、身体が脱水状態になる。全身倦怠感、嘔吐、頭痛、集中力の低下。
熱射病:体温の上昇のため、中枢機能に異常をきたした状態。意識障害、ショック状態になる場合もある危険な状態、命にかかわることも。意識障害、呼びかけや刺激への反応がにぶい、体温が高く戻らない。

 予防として、下記のことに気を付けましょう。

運動する環境を整える。休息、暑い時間をさけて練習するなど。
暑さに徐々に慣らしていく。身体が暑さに慣れないうちは激しい運動は避け、軽めで短時間無理のない練習を。
水分補給をきっちりと。汗をたくさんかいたときは、失われた水分とともに塩分(ナトリウム)を補給する。
服装に注意し、直射日光を避ける。吸湿性のある素材や通気性のよい衣服を選択。炎天下で運動する場合は帽子をかぶる。

 水やお茶、スポーツドリンクを飲むことも大切ですが、普段の食事をしっかりすることも対策となります。

 食べ物の中には栄養素のほかに、水分も含まれています。野菜はほとんど水分ですし、果物、牛乳、主食のご飯などにも含まれており、食事をするうちに自然と水分を補給していることになります。逆に食欲がなく、食事量が減れば、当然、必要な水分量が減ることとなり、脱水、熱中症になるリスクも高まります。

食事に汁物をプラスし、熱中症予防。「ミルク豚汁」はシチューのようにおいしく食べられます
食事に汁物をプラスし、熱中症予防。「ミルク豚汁」はシチューのようにおいしく食べられます

 今回はミネラル、タンパク質、水分を多く含む「ミルク豚汁」を紹介します。シチューのように、おいしくいただけます。汁物をとることは、熱中症予防の1つです。

管理栄養士・舘川美貴子