ある高校生のお母さんからの質問です。「貧血には牛肉がいいと聞いたのですが、牛肉ばかりでは食費が高くなります。どうしたらよいですか?」

 貧血とは、血液中に含まれるヘモグロビン量が減少した状態をいいます。血液中の赤血球は、全身の細胞に酸素を送り届ける役割をしており、そのために必要不可欠なのがヘモグロビンです。

 ヘモグロビンは、タンパク質に鉄が結合したものであり、この鉄が酸素と結合して酸素を輸送する能力を発揮します。この鉄が欠乏すると、酸素輸送能力が低下して、鉄欠乏性貧血が起きます。

 鉄が不足すると、疲労が取れない、だるさや頭痛などの症状が現れます。鉄を失う一番の原因は、生理などの出血によるものですが、成長期では、成長により需要が増大するため、エネルギー不足とともに一時的に不足することがあります。

非ヘム鉄はビタミンC、タンパク質と

 鉄には2種類あり、主に肉や魚などの動物性食品に含まれる「ヘム鉄」、植物性食品や卵、乳製品に含まれる「非ヘム鉄」があります。「ヘム鉄」は吸収率が高いものの、「非ヘム鉄」は吸収率が低いのですが、タンパク質やビタミンCと組み合わせることで吸収力がアップします。

 牛肉は、鶏や豚に比べて鉄(ヘム鉄)の含有量が多く、特に赤身部分に多く含まれています。国産牛で比較すると、肩ロース100g中、鉄は0.9mgですが、赤身肉には100gには2.7mgも含まれています。

 もう少し細かく見ると、以下のような鉄含有量となっています(各100g)。

肩ロース=0.9mg
赤身=2.7mg
ヒレ肉=2.5mg
もも肉=2.5mg
レバー=4.0mg
ビーフジャーキー=6.4mg
コンビーフ=3.5mg

 しかし、脂質も多く摂取することとなり、摂りすぎはエネルギーの過剰につながります。ビーフジャーキー、コンビーフは塩分が多いため、塩分過多も注意が必要です。

赤身だけではエネルギー過多

貧血予防に「ご飯がすすむアサリの佃煮」
貧血予防に「ご飯がすすむアサリの佃煮」

 魚、肉類は脂質、エネルギーが高いので、量をたくさん食べるとエネルギー過多になりますが、貝類や青菜類を合わせて食べると、コンスタントに鉄をはじめとする栄養素を摂取することができます。経済的にも安心ですね。何か1つだけではなく、色々な食品を組み合わせて食べるのがポイントです。

 牛肉のほかに鉄を多く含む食品としては、魚貝類ではカツオ、イワシ、アサリ、牡蠣、卵、豆類、小松菜、ホウレン草、菜の花などがあります。

 今回は「ご飯がすすむアサリの佃煮」を紹介します。アサリは非ヘム鉄に分類されますが、銅など栄養素を多く含んでいます。佃煮は時間や手間がかかりそうなイメージがあると思いますが、鍋で煮るだけで簡単に作ることができます。お試し下さい。

管理栄養士・舘川美貴子