野菜の栽培方法や流通が良くなったおかげで、さまざまな野菜を1年間、コンスタントに食べられるようになりました。一方で、旬が分からなくなってきた、とも言われますね。

 選手たちと食べ物の旬の話をすると、ナスやトマトなど夏の野菜は分かりやすいようですが、小松菜やホウレン草などは1年中見かけるため、冬の野菜とは気づかないことが多いようです。

約3倍も栄養価違う野菜も

 「旬の野菜を食べるのがいい」と言われるのは、最も生育条件が揃った環境で育てられ、最も成熟している時期だから。味もさることながら、栄養価が高まる時期に収穫するため、最も高い状態にあります。

 栄養価といっても、旬とそうでない時期での違いは、野菜の種類によって異なります。冬野菜のホウレン草の場合、旬の12月に採れたものと、旬ではない9月に採れたもののビタミンCの含有量を比較すると、12月は約60mg、9月は約20mgと約3倍の差があるとされています(注)。

 味、栄養価が高まるのに加え、旬の食材は安価です。お得に食材を選ぶなら、旬を意識するのは大切ですね。

 春が旬の代表的な野菜はキャベツ、アスパラガス、セロリ、スナップエンドウ、タケノコ、フキノトウ、ソラ豆、新タマネギなど。今回はその中から、スナップエンドウを使ったスクランブルエッグを紹介します。

色鮮やかな「スナップエンドウのスクランブルエッグ」
色鮮やかな「スナップエンドウのスクランブルエッグ」

 スナップエンドウは、アメリカで作られた新しい品種。豆が熟してもさやが固くならず柔らかいので、さやごと食べられるのが特徴です。サヤエンドウのシャキシャキ感とグリンピースの甘みを一緒に味わえる、そんな食感です。

 多く含まれている栄養素としては、βカロテン、ビタミンC、カリウム、カルシウムなど。さやごと食べることで食物繊維もしっかり摂れます。ビタミンCは熱に弱いので、加熱はなるべく短くしましょう。

 「スナップエンドウのスクランブルエッグ」は緑と黄色のコントラストで、おしゃれで彩りもきれいな料理となります。見た目がきれいだと、食べるのが楽しくなりますね。お弁当のおかずにもなります。

注=日本食品標準成分表2015年版(七訂)から引用

管理栄養士・舘川美貴子