冬は寒くて朝起きるのが遅くなったり、通学に時間をとられるので朝早く出発することが多くなったりして、朝食の時間が少なくなったり、早くなったりと、うまく食べられないことがあります。

 小、中学生の朝食の欠食率は小学生で0.9%、中学生で1.8%となっています(注)。年齢が上がり、成人すると男性で15.4%、女性で10.7%。男女ともに20歳代でそれぞれ37.4%、23.1%と高くなっています。

 ここで、改めて朝食の意義を考えてみましょう。

①エネルギー源や栄養素の補給

 朝、目覚めた直後は脳や神経、内臓の働きが低下しており、血糖値も低い状態です。脳は寝ている間も活動しているため、起床時にはエネルギーが不足しています。ご飯やパンなど主食となる糖質エネルギーをしっかり補わないと、集中力や記憶力などに影響が出ることがあります。

 また、脳で使われるエネルギーはブドウ糖ですが、身体の中ではグリコーゲンとして筋肉、肝臓に蓄えられています。しかし、グリコーゲンは枯渇しやすく、蓄えは約8~12時間分しかありません。朝食を欠食すると、 エネルギー不足となります。

②体温の上昇

 食事を食べると体内に吸収された栄養素が分解され、その一部が体熱となって消費されるので、食事をすると身体が温かくなります。朝食はエネルギーの補給のためと思いがちですが、身体を温め、1日のリズムを作る働きもあるのです。

 栄養素の中ではタンパク質が最も温かくなります。朝食のメニューにはパンやおにぎりだけではなく、魚や肉、卵、納豆、牛乳・乳製品といった身体を温めるタンパク質のおかずを加え、さらに体調を整える野菜、果物などしっかりとバランス良くそろえる必要があります。

 今回は副菜の1品として「サツマイモとリンゴの甘煮」を紹介します。作り置きでき、お弁当のおかずにもなります。手軽にタンパク質も、という場合はヨーグルトをかけるとよいでしょう。

注=内閣府:子供・若者白書(旧青少年白書)2017版より

【管理栄養士・舘川美貴子】