先日、選手から「ゼリー、寒天をつくってみました。簡単に作れたけど、油断したら、ドロドロで、まあ、それはそれで食べられました」との報告がありました。

 自分で作ったものは、失敗しても食べられるようですね(笑)。それまでゼリーや寒天は市販品を買うことが多かったようですが、調理にもだいぶ慣れ、余裕が出てきたようです。

 さて、今回は寒天のお話です。寒天の原料は海藻で、粉寒天、棒寒天などがあります。加熱すると溶解し、冷やすことで凝固してゲルになります。寒天の凝固点は40℃前後と比較的高く、室温でも固めることができます。

 また、一度固まったゲルの融点は80℃以上なので溶けにくく、夏の室温で溶けたり、冷蔵庫でなければ固まらないゼラチンと違って扱いやすいのが特徴です。

 寒天使用時の注意点は以下のようなものがあります。

溶かすときは沸騰させないと寒天が溶けず、しっかりと固まりません。

柑橘類など酸の強いものを加えて加熱すると、固まらなくなります。粗熱を取ってから加え、手早く混ぜましょう。

牛乳寒天を作る場合は、寒天液は80℃程度に冷ましてから牛乳を入れます。熱いうちに加えると、牛乳が凝固して舌触りの悪いざらざらした寒天になってしまいます。

 寒天には、水溶性の食物繊維が100g中1.5gも含まれていますので、食物繊維を摂取することができます。エネルギーは少なく、中に入れる具によってさまざまな栄養素を摂取することができます。

サツマイモとカボチャの寒天
サツマイモとカボチャの寒天

 牛乳を使った牛乳寒天ではタンパク質、カルシウムを摂取。今回紹介する「サツマイモとカボチャの寒天よせ」のようにサツマイモ、カボチャなどやフルーツを入れると、糖質を摂取できます。

 気温が高い中での練習後や試合後は、発汗により水分やミネラルが不足し、食欲の低下を招くことがあります。そんなときは一口大に作った寒天はのど越しがよく、負担なく食べられ、同時に水分も摂取することができます。

 また、だれでも簡単に作ることができるので、夏休みに、小さなお子様と一緒に作ってみてはいかがでしょうか。