花粉症といえば、春のスギやヒノキが代表的で、「夏は花粉とは無縁の季節」と思っている方がいるかもしれませんが、真夏も花粉は飛散しており、対策をしている方もいます。

ヨモギ花粉のピークは9月

7月あたりから飛び始めるのは「ヨモギ花粉」で、飛散量のピークは9月(地域により若干異なります)。比較的寒冷地で飛散量が多く、日本では数少ないものの、真夏でも飛んでいます。症状としては、ほかの花粉症と同じく、くしゃみ、鼻みず、鼻づまりのアレルギー性鼻炎、目のかゆみ、充血、涙目などのアレルギー性結膜炎が中心です。

ヨモギはキク科の多年草で、1年草のブタクサよりも繁殖は旺盛です。花粉飛散の範囲は数十メートルなので、ヨモギ花粉症の方は自宅の庭や近所の空き地や河川敷などでヨモギを見つけたら、可能な限り花が咲く前に、根こそぎ駆除しておきましょう。

セロリ-ニンジン-ヨモギ-スパイス症候群

以前のコラムで「花粉-食物アレルギー症候群(PFAS=pollen-food allergy syndrome)」について紹介しましたが、ヨモギ花粉症になると、日頃、サラダなどで食べるセロリでPFASを引き起こし、唇、口、喉などの口腔にイガイガ感やかゆみ、腫れなどのアレルギー症状が生じることがあります。また、セロリと同じセリ科の野菜のニンジン、アシタバ、クミンやコリアンダーなどのスパイスによってアレルギー症状が出る方もいるため、「セロリ-ニンジン-ヨモギ-スパイス症候群」と言われています。

気になる症状がある場合は、医療機関に相談しましょう。もしかすると、実はヨモギ花粉症だったということがあるかもしれません。

今回紹介する料理は、アレルギー対策にもなる「シソつくねのモズクスープ」です。シソには、βカロテン、ビタミンEをはじめとするビタミンやミネラルが豊富に含まれています。また、モズクなどの海藻にはアレルギー症状を緩和する可能性がある成分も含まれています。

シソ独特の清涼感のある香りは、食中毒予防や食欲増進に効果があるといわれています。つくねの中に入っている枝豆は、疲労回復の支えにもなるビタミンB1も豊富に含まれています。暑さで食欲が減退している方にとっては、夏バテ予防メニューとして役立ちます。

管理栄養士・乳井美和子、小高鏡子