今年も残り20日ほどとなりました。年末のお掃除計画を立てている方も多いのではないでしょうか。

以前のコラムでもお伝えしたように、アレルギー疾患の症状と生活環境は関連があり、症状緩和や感染症予防の観点からも換気や掃除が重要です。昨年から今年にかけて在宅時間が増えたこともあり、ご家族にアレルギー疾患の方がいる場合は十分な注意が必要です。

化学物質濃度における作業と休息の調査

実際に、室内の化学物質濃度の差によって、人間の健康維持・増進にどのような影響があるか調べた報告があります。対象は、日本人約170人。一般的な化学物質濃度と化学物質濃度を低減した実験住居棟にそれぞれ90分間滞在し、計算、暗算などの作業と休息をする時間を設けました。

その後の調査において、化学物質濃度を低減した住居で過ごした後は、一般的な住居で過ごした時よりも「リラックスできて快適」と回答した人は1.2倍多く、リラックス状態を示す脳波のα波の増加が1.6倍多いという結果が出ました。α波はリラックスだけでなく、集中力の向上、体の免疫力を高める効果などがあると言われています。

さらに建材やホコリだけに限らず、受動喫煙もぜんそくやアレルギー性鼻炎などのアレルギー状況の増悪があることも発表されています。これらの報告からも、換気や喫煙場所の配慮がアレルギー体質の方の症状だけでなく、集中力向上やストレス低減のためにも重要であると考えられます。これから気温が下がり、窓開けができる時間が限られていきますが、協力し合いながら、冷えすぎない程度の換気や室内環境を整えるように努めましょう。

今回紹介するのは、カルシウムが豊富な水菜と春菊を使用した「カルシウムもりもり水菜と春菊のあえ物」です。1人分で牛乳100mlと同程度のカルシウムを摂取することができます。牛乳や魚のアレルギーなどで、カルシウム摂取源を確保するのに苦労している方にもお勧めの1品です。

水菜は年中店頭に並んでいますが、旬は冬。今から3月あたりまでは露地栽培の水菜が並び、よりおいしい季節になります。マヨネーズはアレルギー対応のものを使っています。最近、様々なメーカーからアレルギー対応製品が販売されるようになりましたが、大豆が入っている場合もありますので、よく表示を見てから購入しましょう。

管理栄養士・乳井美和子、小高鏡子