今回は、アレルギーとポジティブな思考との関係についてお話しします。

仕事柄、アレルギー疾患の患者さんと話す機会が多くあります。多くの患者さんを見ている中で、ポジティブ思考の強い方や、前向きに考えるように気持ちを切り替えている方は、自分の疾患と向き合うことができており、治療も順調に進み、症状が出たとしても落ち着いて対処できていることが多いと感じていました。

そんな気付きを科学的に解明した研究発表があります(※文献参照)。マウスレベルでの実験にはなりますが、喜びや快感といった前向きな感情をつかさどるドーパミンの神経回路を活性化させると、アレルギー症状を抑える作用があると報告しています。この結果は、ポジティブな思考がアレルギー症状を引き起こす免疫の仕組みと関係があることを示しています。

「病は気から」前向きに自分と向き合う

このようなことから、アレルギー症状を抑えるには、薬物療法や食事療法だけではなく、ポジティブな思考を心がけることが重要だと理解できると思います。「病は気から」という言葉もあるように、アレルギーに限らず、他の疾患を突然発症した場合でも、ポジティブな思考を少しずつ持つように心がけることをお勧めします。

突然、病気や疾患に襲われたときは「まさか自分が…」と、最初は理解することに時間がかかり、ネガティブな感情が出てくると思います。そんなときは自分と向き合い、意識をポジティブな方向に向けることで少しずつ変化が生まれてくることと思います。

ピーマンはクロロフィルが豊富

今回紹介するレシピは「ピーマンとサケのマヨあえ」です。ピーマンには、特にアレルギー体質の方には意識してほしい解毒機能のあるクロロフィルが豊富に含まれています。

ただ、いくら栄養価が高いと言っても、ピーマン独特の苦みが苦手で、箸が進まない方もいるでしょう。苦みは、ピーマンを湯通ししたり、電子レンジで加熱したりするとやわらぎます。このレシピもそんな工夫を取り入れ、ピーマンを電子レンジで加熱し、サケと調味料とあえるだけの簡単調理です。時間がない時や、もう1品足したい時にも便利です。

また、ピーマンの繊維は縦に走っているため、繊維を断ち切らないように縦に切るのも調理のポイントになります。色とりどりの野菜を十分に摂取して腸内環境を整えることもポジティブ思考への一歩。心も整えて、自分の体と向き合っていきましょう。

※文献:ShotaroNakajima, SatoshiManita ,GuannanYu et al:
Activationoftherewardsystemamelioratespassivecutaneousanaphylactic reactioninmice. Allergy 2020 Dec;75(12):3275-3279

管理栄養士・乳井美和子、小高鏡子