日本食の彩りに添える、日本食に欠かせない海苔。小さい頃は、海苔がないとご飯を食べられないという方もいたのではないでしょうか。海苔にも旬があり、11月~3月頃、今がまさに旬でおいしい季節です。

うまみ成分すべてを含む唯一の天然食品

海苔は、イノシン酸、グアニル酸、グルタミン酸のうまみ成分を全て含んでいる天然食品では唯一の食品だといわれています。白いご飯と一緒に食べるとよりおいしさが引き立つのは、それが理由なのかもしれません。

栄養面でも非常に優れ、A、B群、C、葉酸などのビタミンや、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛などのミネラル、食物繊維などが豊富に含まれています。「海のマルチサプリメント」と表現しても良いほどです。

海苔特有の食物繊維ポルフィラン

アレルギーの観点では、ポルフィランという海苔特有の食物繊維がアレルギー症状を軽減する作用があると報告されています。日本人はそのポルフィランを、他の民族より分解しやすいという利点もあります。

今回紹介するのは「海の恵み凝縮マグロの磯辺巻き」です。見た目は、ひき肉を使った通常のハンバーグなので、「魚が苦手」という方も違和感なく食べられます。また、「魚は処理が面倒」と敬遠している方もいると思いますが、刺身用のマグロを使用しているため、骨抜きなど下処理は不要です。

マグロに含まれるEPAには、血液をさらさらにして酸素の運搬能力を向上させ、関節の可動域を広げやすくするだけでなく、アレルギー症状緩和を助ける作用もあると報告されています。うまみ成分が凝縮された海苔を巻いて食べやすく、お弁当のおかずにもぴったりです。

花粉症対策にもなる1品ですが、症状が強い方は日常生活を見直すとともに適切な治療を受けて、このシーズンを乗り切りましょう。

管理栄養士・乳井美和子、小高鏡子