昔と違い、今は健康や食に関する情報はテレビやラジオだけでなく、ウェブサイトやSNSなどから、世界の最新情報をすぐに目にすることができるようになりました。皆さんは、どのくらいの頻度でどのような媒体から情報を得ているでしょうか。健康に良いとされる情報を見聞きした後は、実際に生活に取り入れていますか。

栄養指導や雑談の際に、このようなことを耳にします。「朝食の重要性は分かっていても、出かける直前まで寝ていて食べられない」「○○○が体に良いと聞いて買ったけれど、調理方法が分からずキッチンに置きっぱなし」「友人から△△△が健康増進に良いと聞いて試したけれど、いまいち体がスッキリしない」。

食に関する情報は収集していても…

実際に大学生を対象にした調査では、「油の過剰摂取は体に良くないと分かっていても控えられない」「朝食の重要性は分かっていても朝食を食べていない」など、食に関する情報は収集していても、望ましい食行動を実行できていない傾向が高いという報告があります。また、自宅に住んでいる大学生でコンビニ弁当や惣菜の利用頻度が高いと、朝食欠食の傾向があるという調査報告もあります。

大学生になると、授業のほか、部活動、アルバイト、論文、研究…とやることが多く、特に1人暮らしの学生はコンビニ弁当や惣菜を活用することもあるでしょう。ただ、毎日それだけで済ますのではなく、「可能な限り1品は手作りにする」「野菜料理は作り置きしておく」といった目標を立て、無理のない範囲で自炊も取り入れるようにしてみましょう。アスレシピの時短メニューを活用することも1つの方法です。

また、初めて耳にする食材や今までに聞いたことがない健康法を取り入れようと考えている方は、本当に自分の体質や生活習慣に適しているのか、栄養学やスポーツ栄養学などを勉強している方に確認してから取り入れましょう。

タンパク質+野菜を意識

今回紹介するのは、「キノコたっぷりカレー風味スープ」です。便秘で悩んでいる方やアレルギー体質の方には、腸内環境を整えるために意識して取り入れてもらいたい食物繊維やビタミンDが豊富に含まれています。

料理を一度に何品も作るのは大変です。具だくさんスープを少し多めに調理しておくと、何食か活用できるので、時間のない時に便利です。

その際に意識して欲しいのは、野菜とタンパク質源食品を入れること。今回は調理の手間を省くために、タンパク質源食品として大豆水煮缶とベーコン(アレルギー対応)を使用しています。

ベーコンは、添加物の中に乳製品、卵、大豆を使用していることがあります。アレルギーのあるお友達の分を作る際には、栄養表示を十分に確認した上で購入するように心がけて下さい。

私たちの細胞は、毎日食べている食事で構成されています。つまり、1年間で3200回以上の食事の内容によって、体質が変化していくとも言えます。1回試したから変化するのではなく、トレーニングと同じで毎日の積み重ねが大切です。食生活や生活習慣を正さないと、と思っている皆さん、さあ、小さな改善を今日から始めてみませんか。

管理栄養士・乳井美和子、小高鏡子