6月から始まった学校や部活動の生活リズムは、慣れてきた頃でしょうか。今回は「肉アレルギー」についてお話しします。「肉アレルギー」は患者数が少ないこともあり、あまり耳にしたことがないと思います。食物アレルゲンの割合としても、とても少なく気付きにくいものです。

十分に加熱した肉やブイヨンなどのエキスは食べられることもあるようですし、1種類の肉アレルギーになったからといって、全ての肉を除去する必要はありません。それぞれ別の種類と考えて下さい。全ての肉を除去する方は極めてまれです。

また、「鶏肉アレルギーなので卵を控える」、その逆で「卵アレルギーなので鶏肉も控える」という必要もありません。「鶏肉」と「鶏卵」、「牛肉」と「牛乳」のアレルゲンは同じと考えず、それぞれ別の食品として区別されています。ただし、食べた後の症状で気に掛かることがあれば、医師に相談してみましょう。

肉アレルギーになった場合、栄養素で不足しないために気を付けるのは、まずはタンパク質。魚類や大豆製品などから不足しないように摂取しましょう。

複数の種類のお肉を除去するよう指示があった時は、鉄の不足に注意しましょう。魚には、肉ほど鉄が含まれていないことが多いため、カツオ、アサリ、大豆製品、プルーン、ヒジキなどの鉄の多い食材を毎日取り入れるように心がけましょう。

加工食品を購入する際に注意すべきことは、原材料の確認です。鶏肉、豚肉、牛肉は全て「推奨表示対象(=義務表示ではない、表示なしでOK)」のため、表示されていない可能性があります。原材料表示を見て、心配な場合は食品メーカーに問い合わせて下さい。

今回紹介するのは「ズッキーニの豚肉ロール」。むくみを改善するカリウムを豊富に含むズッキーニを使っています。アレルギーのために豚肉を控えなければならない場合、牛肉を使っても良いでしょう。

ズッキーニにはカリウムだけでなく、鉄の吸収を助けるビタミンC、抗酸化作用のあるβカロテンなども含まれています。夏のお弁当の1品としても重宝します。ぜひ、お試しください。

管理栄養士・乳井美和子、小高鏡子