近年、子どもに限らず大人にも、果実アレルギーが増えています。アレルギーによって多くの果実が食べられなくなり、栄養が偏っていないか心配になるという声も耳にします。

学童期以降に発症しやすい花粉・食物アレルギー症候群の原因果実には、リンゴ、桃、キウイフルーツ、メロン、サクランボなどが挙げられます。これらに多く含まれ、特に抗酸化力を上げるために必要な栄養素としては、ビタミンCやポリフェノールが挙げられます。

◆花粉・食物アレルギー症候群原因果実のビタミンC(mg)

リンゴ      = 4
桃        = 8
キウイ(緑)   = 69
キウイ(黄)   =140
メロン(温室)  = 18
メロン(露地)  = 25
サクランボ(国産)= 10
※100gあたり。日本食品標準成分表2015年版(七訂)より算出

上記の果実を食べられない場合、どのようにビタミンCなどを補えばいいのでしょうか。果実以外でビタミンCを補うには、野菜が挙げられます。その中でも代替えとして便利な生鮮品は、ホウレン草です。

ホウレン草は、葉物野菜の中でビタミンCが豊富な野菜です。季節によって栄養価は異なりますが、今の季節は栄養価の高いものが店頭に並んでいます。

旬の冬採りは100gあたり60mg、夏採りは20mgと3倍もの差があります。ビタミンCに加え、活性酸素の発生を抑制するポリフェノールも含まれており、アレルギー症状の緩和の底上げにつながる黒子的存在です。また、貧血予防の鉄も、野菜の中で多く含まれています。

今回紹介するレシピは、ホウレン草をふんだんに使用した「ビタミンCたっぷりホウレン草カレー」。カレーのスパイスで体が温まり、アレルギー対策の抗酸化力を高める栄養素も豊富にあり、寒い冬の時期に適した1品です。食事以外でも、体を冷やさないように、服装や環境にも十分留意しましょう。

市販のカレールウの中には、リンゴやマンゴーなどの果実が含まれている商品もあります。果実アレルギーの方は原材料表示を確認してから、カレールウを購入しましょう。果実は「推奨表示」になるため、心配の場合には食品会社に確認されることをお勧めします。

管理栄養士・乳井美和子、小高鏡子