喘息(ぜんそく)やアトピー性皮膚炎などアレルギー体質の皆さんは、どのくらいの頻度で掃除機をかけ、寝具類を洗濯していますか? 洗濯や掃除はどの季節で最も力を入れているでしょうか?

アレルギーの原因でもあるダニや、ホコリなどのハウスダストを少しでも軽減できるように、日頃から努力していることと思います。しかし、ダニは温度と湿度が上がる梅雨から夏が繁殖時期なので、その時期に力を入れて対策すれば良いのではないかと考えている方もいると思います。

秋はその繁殖したダニの死骸やフンが空気の乾燥によって飛散しやすくなり、皮膚粘膜や咳、鼻炎など呼吸器の症状が出やすくなります。ダニは、花粉よりも粒子が小さいため、食事に加えて掃除にも力を入れた方が望ましいのです。

特に寝具は繁殖しやすい

毎日使っている寝具は、寝ている間に汗を吸い込み、湿気を含んだ状態になり、ダニが棲みつきやすい環境となります。特に、ジュニア世代は新陳代謝が激しいため、運動習慣のない成人よりもダニが繁殖しやすい要因が高まります。

布団のダニを減らすためには、こまめに掃除機をかけて、天日干しや布団乾燥機などを活用し、家庭で洗濯できる寝具はこまめに洗濯しましょう。また、ダニの入りにくい寝具を使ったり、1~2年に1度は、専門業者に出してふとんを丸洗いしてもらうことも手です。

1人暮らしをしていると、疲れた時などについつい寝具の上で軽食や飲料をとってしまうことはありなせんか? 食べ物のカスもダニのエサとなるので、アレルギー症状を助長させないためにも控えましょう。

ここまで、外界から皮膚粘膜にアレルゲンが入らないようにするための環境作りについて書いてきましたが、今回は、体の内部からも皮膚粘膜を強化し、バリア機能を高める食材を使用したレシピを紹介します。旬のジャガイモを使用した「ジャガイモと小松菜のしょう油ケチャ煮」です。

ニンジンや小松菜には粘膜強化にもつながるビタミンAが、ジャガイモや小松菜には抗酸化力や免疫力を高めるビタミンCが多く含まれています。見た目は肉じゃがに近いですが、豚肉を使用し、調味料も洋風を使ってアレンジし、味の幅を広げています。

秋は気温差やダニの飛散などで、喘息のある方は体調を崩しやすいとも耳にします。十分な休息、栄養バランスの良い食事、体に負担のない環境作りを心がけて過ごしましょう。

管理栄養士・乳井美和子、小高鏡子