牛乳アレルギーがある場合、カルシウムの充足率が低いことは皆さん、ご存知だと思います。1~8歳を対象としたある調査では、乳アレルギー用のミルクを摂取していても、男児のグループで食事摂取基準のカルシウム推奨量に達していないケースがあると報告されています。

カルシウムは成長に大きく関与する栄養素。乳アレルギーを持つ選手、その保護者や指導者は、選手がカルシウム不足にならないように十分に注意する必要があります。

骨密度が標準値下回るデータも

先日出席した研究会で、10~20歳の日本人を対象とした牛乳アレルギーの方のカルシウム摂取量と骨密度調査についての発表がありました。治療によって牛乳が飲めるようになったグループと、牛乳摂取除去を継続しているグループに分けて調査したところ、骨密度は、どちらのグループも標準値よりも低いという報告でした。また、食事調査においてもともに充足率は満たされておらず、除去継続中のグループの平均値は、50%を下回っていました。

上記の報告からも、牛乳アレルギーの場合は、海藻、野菜、大豆製品などのカルシウムが多く含まれる食材や、アレルギー対応ミルクの活用、カルシウムの吸収を助ける栄養素が不足することないよう、献立に工夫することが望まれます(「牛乳アレルギーでも大丈夫、カルシウムが摂れる代替野菜」参照)。同時に、カルシウムの吸収を妨げる食品の摂りすぎにも注意しましょう。

カルシウムの豊富な高野豆腐を使用した「カルシウム補給おかず高野豆腐そぼろ」
カルシウムの豊富な高野豆腐を使用した「カルシウム補給おかず高野豆腐そぼろ」

今回はカルシウムの豊富な高野豆腐を使用した「カルシウム補給おかず高野豆腐そぼろ」を紹介します。高野豆腐1個(乾燥20g)にカルシウムは130mgと、牛乳100ccよりも多く含まれています。

このレシピでは、高野豆腐を肉の代替えとして使用していますが、大豆アレルギーがある場合、摂取可能なひき肉を使用しましょう。その際は、カルシウムの豊富な野菜を増やしたり、魚類で補充したりしましょう。

さらに、カルシウムの吸収を助けるビタミンDを含むシメジを加えています。作り置きおかずとしても重宝するため、アレルギーがない方も常備菜としてもおすすめです。

カルシウム補給として、補食にカタクチイワシなどの小魚をとり入れるのも手軽ですね。ぜひお試し下さい。

管理栄養士・乳井美和子、小高鏡子