小中学生対象のアンケートで「嫌いな給食は何ですか?」と問うと、「魚全般」という回答が上位にくるそうです。皆さんや皆さんの周囲はいかがですか?

 以前、魚に含まれる油脂がアレルギー疾患の改善につながる可能性があるとお話ししました(「魚のDHA・EPAはアレルギー対策に必須、子どもの好きなマグロは効果的」)が、近年ではアレルギーだけでなく、アスリートや、アスリートを目指す皆さんに積極的な摂取を望む研究が進んでいます。

 また、以前伝えたように、アレルギーにはオメガ3系の油が望ましく、オメガ3系統の魚に多く含まれる油脂、DHAやEPAには、筋肉肥大や疲労回復を助ける作用があるといわれています。また、DHAやEPAを摂取することで、中性脂肪低下を促すという報告もされています。

 魚が苦手なため、オメガ3系の植物油脂を摂っていればいいのではないかと思われる方もいるでしょう。しかし、植物油脂を原料とするものは、EPA(DHA)を生産する過程で十分な量のEPA(DHA)をとることができません。魚由来の油脂を摂取する必要があるのは、この理由からです。

 魚アレルギーの方は、指導者や栄養士と相談しながらサプリメントやオメガ3系を多く含む食品を上手に活用しましょう。

DHAやEPAを多く含む「アジのトマトケチャップ炒め」
DHAやEPAを多く含む「アジのトマトケチャップ炒め」

 今回紹介するメニューは「アジのトマトケチャップ炒め」です。アジは、魚の中でも比較的多くDHAやEPAが含まれています。トマトケチャップやウスターソースで魚の臭みを取り、魚が苦手な方でもおいしく食べられます。

管理栄養士・乳井美和子、小高鏡子