例年、熱中症の発症時期は梅雨明け後の7月中旬から8月上旬にかけてがピークとなり、発症時刻は12時及び15時前後の日中が最も多くなります。今年は、早くから気温が高い日が続いていますが、陸上競技などグラウンドでのスポーツは特に、重症率が高い傾向にあります。

熱中症対策には、①体調不良時に運動しないこと、②気温湿度(WBGT)を確認して運動可能かを判断すること、③WBGT計がない場合は環境省の「熱中症予防情報サイト」を参考に熱中症アラートの発令有無を確認すること、④水分補給を行うことなどがあげられます。

香辛料や香り成分を生かす

暑さで食欲がなく、このまま食べられないと体調不良を導きかねないという時は、香辛料や香り成分を生かして食欲をアップさせていくのもよい方法です。香り成分のうち、食欲増進に効果があると言われているのは、レモンやコショウに含まれる「リモネン」、食品をこんがりきつね色に焼いたときにでる「ブラウンフレーバー」です。

「リモネン」は肉や魚の臭みをとる効果もあるので、肉や魚の下処理時にレモンやコショウを使うといいですね。水分補給の際も、レモン果汁を少し搾るとより飲みやすくなります。

「ブラウンフレーバー」は蒲焼き、照り焼きの香りというと分かりやすいでしょう。加熱したフライパンの鍋肌に直接しょうゆを垂らす「焦がししょうゆ」の香りも、食欲をそそりますね。

今回紹介するレシピは「焼きおにぎりの冷やし茶漬け」です。ブラウンフレーバーの香りがする焼きおにぎりを活用しています。

時間があるときは、白飯から焼きおにぎりを作っても良いですが、このレシピは冷凍の焼きおにぎりを使っているので、子どもでも簡単に作ることができます。お茶漬けに加える具材もお好きなものでアレンジしてください。

参考文献:
環境庁 熱中症予防情報サイトhttps://www.wbgt.env.go.jp/
河野友美 おいしさの科学 味をよくする科学 旭屋出版 2010

管理栄養士・田澤梓