ジュニア選手でも筋肉をつけるため、増量するために、タンパク質を意識して摂取している選手もいますが、大人と同じ量のタンパク質の摂取で問題ないでしょうか。

ジュニア選手のタンパク質量

U14のサッカー選手を対象とした1日あたりのタンパク質の必要量の研究では、体重1kgあたり1.4g~1.7gでした。体重50kgなら1日で約70g~85gのタンパク質を摂取する量です。運動を特にしていない30歳~64歳男性(体重約68kg)ではタンパク質の1日の推奨量が65g、女性(体重約53kg)では50gですので、保護者の方の1.2~1.3倍の量に増やす必要があります。

タンパク質は1食でまとめて摂取するのではなく、4、5回に分けて均一に摂取します。1回の食事で20g程度摂るイメージです。タンパク質約20gというのは、サケ1切れ、豚肉100gで摂れる量となります。

特に朝食ではタンパク質

これを特に、朝食で摂ると良いでしょう。朝食で摂取できないと、夕食の後から長時間、タンパク質が摂れない状態が続くため、筋肉の分解が進んでしまうからです。

朝食で摂りやすいタンパク質源は、卵、納豆、豆腐、乳製品、ツナ缶、魚肉ソーセージ、かまぼこ、ちくわなどの練り製品など。これらを2~3品組み合わせることで、約20gを摂れるようになります。「朝は時間がない」というときも、調理に時間はかからないものもありますし、「食欲がない」というときも片手で口にしやすいものもあります。

卵料理のアレンジポイント

卵料理がワンパターンになりがちという時は調味料で変化させたり、具材を入れたりするとアレンジが効きます。

卵焼きも調味料に、白だし、めんつゆ、塩麹、はちみつ、メープルシロップ、バター、コンソメ、カレー粉、ポタージュスープの粉末などを使うとバリエーションが増えます。具に桜エビ、ヒジキ煮、カニカマ、ハム、海苔、天かすなどを加えると、見た目も変わりますし、栄養素もプラスできるのでおすすめです。

今回は朝食にも、お弁当にも使える「カニかまと小エビ入りの卵焼き」を紹介します。お弁当の彩りが良くなり、タンパク源も増えるおかずです。

参考文献:
Boisseau N, Le Creff C, Loyens M, Poortmans JR. Protein intake and nitrogen balance in male non-active adolescents and soccer players. Eur J Appl Physiol. 2002;88(3):288-293. doi:10.1007/s00421-002-0726-x
厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)

管理栄養士・田澤梓