運動しない人よりもエネルギーや栄養素を多く必要とするアスリートは、毎日しっかり朝食をとることが大切です。「夕食はしっかり食べられるけど、朝食は時間がない、食欲がない」と言う選手がいますが、朝食を食べられるように生活改善をしていかなければなりません。

朝食を毎日摂取する人と週3回以上欠食する人では、エネルギー、タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン類、ミネラル類、脂肪酸、食物繊維などの多くの摂取量に差があると報告されています。また、筋肉量の指標である除脂肪量を維持するには、1日において必要なタンパク質を運動量に合わせてとることが重要で、とるタイミングとしては1食にまとめてではなく、3食に分けてとる方が効果的だと言われています。

1食でも必要量を下回ると、筋肉量低下のリスク

具体的に言うと、筋肉のタンパク質合成を最大にするには、1食で体重1kgあたり0.24g以上のタンパク質が必要です。1日の総タンパク質摂取量が足りていても、3食(朝食・昼食・夕食)のうち1食でもタンパク質摂取量(0.24g/kg体重)を下回ると、筋肉量低下のリスクにつながります。

体重1kgあたり0.24gのタンパク質は、体重50kgなら1食で12gが必要です。朝食でよく食べられる食品で考えると、卵2つで12.2g、ロースハム6枚(約70g)で13.0g、牛乳400ml(コップ2杯)で13.2gのタンパク質が含まれます。

自分の体重から必要なタンパク質量を計算し、タンパク質源となる主菜や乳製品の食品を組み合わせて、朝食が炭水化物中心の主食だけにならないようにしましょう。筋肉を維持するために、朝食、昼食、夕食の3食ともタンパク質を摂るよう心がけましょう。

今回は「牛肉とキャベツのサンドイッチ」を紹介します。忙しい朝でもサンドイッチなら食べやすいですね。タンパク質の補給にもぴったりです。

参考文献:
・農林水産省 朝食を食べるとどんないいことがあるの?
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/evidence/chosyoku.html
・Jun Yasuda et.al. Association of Protein Intake in Three Meals with Muscle Mass in Healthy Young Subjects: A Cross-Sectional Study. Nutrients. 2019 Mar; 11(3): 612. doi: 10.3390/nu11030612

管理栄養士・田澤梓