成長期のアスリートは、練習時間が長くなると集中力が切れてしまったり、気持ちが切れてしまったりすることがあります。集中力が切れると質の高い練習ができなくなり、ケガにつながります。なるべく集中して取り組みたいものですが、「集中しなくちゃ」と意識したところで、できるものでもありません。
練習に集中するためのポイントは「テーマを持つこと」と「時間を区切ること」です。
まずは、何を目的に行動しているのか、今取り組んでいることで大事なことは何かなど自分で集中したいことのテーマを絞ってみましょう。さらに、そのテーマについて取り組む時間はできるだけ短く区切ること、例えば5分間という制限の中で目的を考えて実行すると、スムーズに思考を切り替えられるようになります。
楽しく記憶に残る食事時間にするには
食事に関しても同じです。ダラダラと無意識に食べ物を口に運ぶようでは、何を食べているのか分からないでしょう。
選手に「昨日の食事は何でしたか?」聞くと、「夕食は○○だったけど、朝食や昼食は思い出せない」という答えが返ってくることがあります。エネルギーや栄養素の補給だけが食事の目的ではありません。せっかく食事をするなら、リラックスしたり、楽しんだりしながら記憶に残る食事時間にしてもらいたいと思います。
そのためには、テレビやスマホを見ながら食事をするのではなく、今食べているものは何という料理で、どんな食材が使われていて、どこでとれたものなのかを考え、話しながら食べるのも1つの手です。また、どのように調理されているか、味付けは好みにあっているか、今の自分の目標や目的にあっているかを考えられるようになると、パフォーマンス向上のための栄養管理につながります。
今回は「ほうじ茶パウンドケーキ」を紹介します。パウンドケーキは小麦粉、砂糖、油脂(バターなど)を1パウンド(ポンド=約453g)ずつ使うことから命名されたケーキですが、今回はサラダ油を使い、油や砂糖の量を減らして甘すぎず、アスリート向けに仕上げています。
このようなケーキにも材料は何が使われ、どのように作られるのかを想像できるようになると食べる楽しみも広がります。
参考文献:荒井三津子編著 食学入門 光生館 2014