運動後、筋肉のエネルギー源(筋グリコーゲン)をなるべく早く回復させるなら、糖質とタンパク質を摂取すると良いと言われています。その量は、体重1kgあたり糖質は1~1.2g、タンパク質は0.3gです。

体重50kgの選手なら炭水化物60g程度、タンパク質15gの計算となり、それに相当する食事を考えると、レーズンロールパン3個と牛乳200ml(エネルギー420kcal、炭水化物60g、タンパク質14g)程度。食事というより補食として摂るのに適当な量です。

ただし、ここには落とし穴があります。回復するのに良いとされる数値は補食の量を示しているだけで、1日の食事全体量とのバランスは示されていません。小食なジュニアアスリートでは、補食を食べたことで満腹になり、その後の食事が十分に摂れなくなってしまうこともあります。

補食をとるタイミングや量を計画

そんなときは、1日のスケジュールを考えた上で、補食を摂る時間とその内容を計画してみましょう。1日の運動からの回復、次の練習に向けた疲労回復が考えられるようになります。1日分の食事量を100%として「朝食:昼食:夕食:補食=3:3:3:1」で考えるとわかりやすいですね。

例えば、1日のエネルギー摂取量を3000kcalとした場合、補食は10分の1の300kcal。1回で300kcalも食べられない場合は、2回に分けても良いです。

また、食事直前に補食を摂ることがないように、補食の時間は食事間隔があくときや、練習後から食事までが1時間以上あくときなどに活用しましょう。すぐに食事がとれる場合は、食事優先で構いません。もちろん、補食は甘いお菓子ではなく、栄養を補給するものを選んでくださいね。

今回は、補食におすすめの「ソラ豆チーズおやき」を紹介します。ゆでたソラ豆をチーズとともに皮で包み、蒸し焼きにしたものです。冷凍もできるので、作り置き保存しておけば、エネルギー補給したいときにすぐに食べられます。

参考文献:ダンベナードット著 寺田新訳 スポーツ栄養ハンドブック 東京大学出版会 2021

管理栄養士・田澤梓