食欲がない時や、増量したいけれど食事量を増やせないときは、「脂質(油)を上手にとりましょう」と言われます。脂質は1gで9kcalあり、炭水化物やタンパク質(1gで4kcal)の2倍以上のエネルギーがあるからです。

とはいえ、実際どれくらいとったらよいのでしょうか。具体的に説明していきます。

調理油はどれくらい摂るべきか

サラダ油など調理で使う植物油は、大さじ1杯(12g)で111kcalあります。練習時期は、エネルギー摂取1000kcalあたり大さじ1/2杯(55.5kcal)、3000kcalなら大さじ1と1/2杯(166.5kcal)程度を目安にするとよいでしょう。頻繁に、揚げ物など油を多く使う調理をするのではなく、茹でたり、蒸したりする調理法にする方がいいですね。

飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸

脂質は「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」という2種類の脂肪酸から合成されています。不飽和脂肪酸のうち「n-6系」と呼ばれる脂肪酸は、綿実油やゴマ油などの植物油に多く含まれています。1日の目安量は男子12歳~14歳は11g、15~17歳で13g、女子12歳~17歳は9gです。

「n-3系」と呼ばれるオメガ脂肪酸は、魚油や種実類に含まれる脂肪酸です。1日の目安量は男子12歳~14歳で1.9g、15歳~17歳で2.1g、女子12歳~17歳は1.6gです。

サラダ油大さじ1杯に含まれるn-6系脂肪酸は約4gもあるので、それほど意識しなくても目安量をとることができます。n-3系脂肪酸はマサバ1切れ(100g)、もしくは銀サケ1切れで約2gとれるので、1日に1回魚を食べれば、十分に必要量をクリアすることができます。

食材の部位選びも意識して

魚や肉などの動物性食材には脂質が含まれ、部位によってその量が異なります。鶏肉なら、若鶏もも皮付き100gは14.2g、若鶏むね肉皮なし100gは1.9gと、かなり量に差があります。

エネルギー摂取量が足りないときは、脂質の多い部位を選ぶと良いですが、エネルギー過多にならないよう調整することも大切です。運動量や目的に合わせて、調理法や油の量、食材の選び方を工夫しましょう。

今回紹介するのは、「鶏むね肉とはんぺんのつくね」です。はんぺんは、サメなどの魚のすり身からできているので魚の摂取になります。脂溶性ビタミン(ビタミンA)が含まれるニンジンも一緒に蒸し焼きにして、短時間で調理できます。

参考文献:
日本商品成分表2020年版(八訂)文部科学省
日本人の食事摂取基準(2020年版)厚生労働省

管理栄養士・田澤梓