週末や長期休みになると、午前から午後にかけて練習が行われたり、遠方の練習場所まで移動したりと、いつもの時間に食事がとれない場合があります。朝食から昼食までの時間が空きすぎて空腹期間が長くなってしまうと、エネルギー不足の状態で練習をすることになり、効果が半減します。特に冬季練習時期などのトレーニング量が多くなる時期、1日練習のあるときは、朝食や練習中・練習後の補食で特に炭水化物をとり、エネルギーを十分に蓄えましょう。

練習の負荷が増加したときに対応できる選手とできない選手の違いは、炭水化物(糖質)の量だったという報告があります(対応できたグループの炭水化物の摂取量は体重1kgあたり8.2g、1日で612g、できなかったグループは体重1kgあたり5.3g、1日で396g)。体重1kgあたり8.2gの炭水化物は、体重50kgなら1日で410gになります。この量はかなり意識してとらなければ、クリアできない数値です。

1日に400g以上の炭水化物を摂取するためには、3食のほか補食も組み合わせて摂取するよう計画を立てましょう。例えば、1食でご飯約350g(炭水化物129.9g)を3食とり、補食でご飯約130g(炭水化物48.2g)のおにぎりを1個プラスすると、437.9gとなります。

今回は補食としてもおすすめの雑穀米おにぎり、「カレー風味の魚肉ソーセージと韓国海苔の雑穀おにぎり」を紹介します。魚肉ソーセージをカレー味にすることで食欲が増しますし、「魚」を食べる機会にもなります。

コンビニのおにぎりは一般的にご飯100g、具10gで作られていることが多いようです。ご飯も具もそれよりも少し多めにして、炭水化物を50.6gとれるようにしています。片手で食べられるおにぎりは、短時間で場所を選ばず食べられます。練習の前後や合間に、上手に利用しましょう。

参考文献:スポーツ栄養学ハンドブック ダン・ベナードット著 寺田新訳 東京大学出版会 2021
Coctil.et al. Effects of repeated days of intensified training on muscle glycogen and swimming performance Medicine & Science in Sports & Exercise 20(3):p 249-254, June 1988.

管理栄養士・田澤梓