気温の低下とともに空気が乾燥してきたため、低温や乾燥を好むウイルスの感染力が強まっています。「胃腸炎にかかった」「おなかがゆるくなっている」という声もよく聞くようになりました。

持久系アスリートは一般的に、中強度の運動と激しい運動の両方を行います。中強度の運動は筋肉や粘膜の炎症低下、病原菌の腸壁透過を防ぐバリア機能の向上、体組成の向上など、運動選手の健康にプラスの効果をもたらします。また腸内細菌の構成や、消化管内で生成される微生物の代謝物にも良い変化をもたらします。

一方で激しい運動は、病原菌が腸壁を透過してしまう状態を高め、腸管粘液の厚さを薄くしてバリア機能を低下させることがあります。病原体を血液中に入り込ませてしまい、その結果、胃腸炎や胃腸障害、ウイルス感染につながる可能性があります。

アスリートほど腸内環境を整えるべき

ウイルス感染を防ぐためには、腸内環境を整えておく必要があります。何かを食べてすぐに良い状態の腸内細菌叢になるということではありませんが、栄養バランスの整った食事をベースに、腸内細菌のエサとなる食物繊維や乳酸菌入りの食品を摂り続けることで、腸内細菌の種類が変化すると言われています。冬休みに入り、年末年始が近づいてきて普段とは違った生活リズムになりがちですが、欠食はせず、定期的に偏りのない食事を心がけましょう。

今回は、「サツマイモのチーズサラダ」を紹介します。食物繊維のとれるサツマイモと乳酸菌が含まれるチーズの組み合わせです。サツマイモの甘味とチーズの塩気が絶妙の味わいで、塩もみしたキュウリもアクセントに加えています。

このレシピではプロセスチーズを使っていますが、クリームチーズにするとコクが出ます。カッテージチーズを使えば、脂質を抑えられます。

参考文献:
・Interplay Between Exercise and Gut Microbiome in the Context of Human Health and Performance Clauss M, Gerard P, Mosca A, Leclerc M. Front. Nutr., 10 June 2021 (https://doi.org/10.3389/fnut.2021.637010)

管理栄養士・田澤梓