炭水化物は、エネルギー源として使うことのできる「糖質」と消化吸収できない「食物繊維」に分けられます。今回は、私たちが活動する上で大切な糖質の種類について説明します。

糖質にも種類があり、食品成分表ではでんぷん、ブドウ糖、果糖、ガラクトース、ショ糖、麦芽糖、乳糖、トレハロースに分かれています。一概に「糖質補給」と言っても、食事の時間帯、運動の強度、摂取エネルギー量などを考慮して、どの種類を補給するのがいいのか、選択することが大切です。

多糖類のでんぷんとグリコーゲン

でんぷんは消化できる多糖類(10個以上の糖類が結合したもの)で、植物中に蓄えられた糖質です。人の体に入ると、ブドウ糖(グルコース)に分解され、小腸で吸収されます。一方、動物の体の中に蓄えられ、消化できる多糖類はグリコーゲンで、こちらもすぐにブドウ糖に分解されるため、重要なエネルギー源となっています。

消化の早いブドウ糖、果糖

ブドウ糖、果糖、ガラクトースは1分子の糖類(単糖類)で炭水化物の最も基本となる形態・要素です。多糖類のでんぷんよりも消化・吸収にかかる時間が短くすみます。ブドウ糖はエネルギー源として、また血液中のグルコース濃度を維持するためにも重要な糖質です。

果糖は、はちみつや果物に含まれていて、単糖類と二糖類の中で最も甘味が強いのが特徴です。大量に摂ると胃腸障害や下痢が生じる場合があります。また多量に吸収して血液中に放出された場合、中性脂肪に変わるという特徴があります。ガラクトースはブドウ糖から生成され、脂質やタンパク質の一部を形成し、エネルギーとなる成分です。

二糖類のショ糖

ショ糖はサトウキビや甜菜(てんさい)に多く含まれるブドウ糖と果糖が1つずつ結合した二糖類の一種で、小腸にあるスクラーゼという酵素によって単糖類に分解、吸収されます。ショ糖を抽出して細かい結晶となったものは、グラニュー糖と呼ばれます。

このように糖質は、糖類の結合数や結合しているもの、さらに食べ合わせによっても消化・吸収が異なってきます。

今回は、「サトイモのミートグラタン」を紹介します。サトイモは可食部100gあたり、糖質が11.2g(でんぷん8.7g、ショ糖0.9g)です。同じイモ類のサツマイモ(36.7g)と比べると、糖質量は少ないものの、エネルギーは58kcalでサツマイモの半分以下のヘルシー食材でもあります。

味付けはミートソースとチーズで、小さな子どもでも食べやすくしており、おかずでの糖質補給に適しています。

参考文献:
・スポーツ栄養学ハンドブック ダン・ベナードット著 寺田新訳 東京大学出版会 2021
・日本食品成分表2020年版(八訂)文部科学省

管理栄養士・田澤梓