試合前などエネルギーを十分に蓄えておきたい時に、炭水化物(糖質)を多く摂取することを「グリコーゲンローディング」といいます。グリコーゲンローディングをする際は、単に炭水化物を多く摂るだけでなく、同時に運動の調節を行うことが必要です。

通常は3日前から、補食や副菜からも炭水化物

通常は「試合の3日前から運動量を落とし、高炭水化物食を摂取する」という方法がよくとられますが、ごはんの量を急激に増やすといったことで炭水化物の量を急に増やすのは、胃の容量を考えると厳しいこともあります。そこで補食や副菜に、炭水化物の多いイモ類や春雨を使ったり、白玉、餅などを活用したり、主食も穀類を多く摂れるように丼物のメニューにすることが大切です。

どれくらい量を増やすのかというと、通常の練習時では1日に体重1kgあたり6~10g摂っていた炭水化物を、グリコーゲンローディング時は体重1kgあたり10~12gに増やします。体重60㎏の人であれば、1日に600~720gの炭水化物量が必要となります。

ごはんで換算すると、茶碗1杯(150g)には57.1gの炭水化物が含まれるため、12杯~14杯分にもなります。この量をごはんだけで摂るのは難しいので、炭水化物を多く含む他の食材も積極的に取り入れていくことになります。

急に特別なことはしない、マイナスのことも

ただし、試合前だからと特別なことをするのは良いことではありません。逆に体調やコンディションを崩す原因にもなります。普段からそういった時のことを想定し、炭水化物を多くとった時にどのような状態になるか、体重が増えて動きにくくならないかなどを確認しておくことも必要です。

また、どんな糖質が食べやすいのか、スポーツドリンクも味や飲みやすさのほか、1回の摂取でどれくらい炭水化物が摂れるのかなども把握しておきましょう。市販品には栄養成分表示がありますので確認し、参考にしてください。

今回は「サトイモの梅おかかあえ」を紹介します。サトイモは炭水化物やカリウムが豊富です。梅おかかのあえ衣は、サトイモ以外にもジャガイモや青菜あえにも活用できます。またおにぎりの具などとしても活用できるので、作り方を覚えておくと便利です。

管理栄養士・田澤梓