摂取エネルギーと活動量(消費エネルギー)が同じなら、基本的に体重は変わりません。しかし、そのバランスが分かりづらく、「食べ過ぎて太ってしまったり、逆にエネルギーが足りなくてやせてしまったりしているように感じる」という質問を受けました。

体重の変化を継続的にチェック

小学生から中学生になると、スポーツをする機会や練習量が増えて活動量が高まるので、それに合わせて食事量も増やさないと、やせたり、ケガをしやすくなったりします。一方で、急に摂取エネルギーを多くしようとして無理に食べても、体がそれに追いつかず、消化不良をおこしたり、脂肪が増えるだけになってしまったりすることがあります。

エネルギーの摂取量の過不足は、まずは体重を継続的に測定し、体重の増加が成長曲線と大きく外れていないかを見ていくことが大切です。

成人女性1食分のエネルギー量

エネルギー必要量は個人差があるものの、生活活動レベルが普通の場合、一般的に10歳~11歳は、男子が2350kcal、女子が2100kcalです。12歳~14歳は、男子が2600kcal、女子が2400kcalと成長と共に高まります。

ところが、1日3時間程度の運動をするようになると、12歳~14歳の男子は2900kcal、女子は2700kcalが目安となります。つまり、小学生の時にあまり運動をしておらず、中学生から部活動を本格的にするようになった場合、男女ともに1日600~650kcalくらい食事量を増やさなければなりません。600~650kcalというのは、だいたい成人女性の1食分に当たる量ですので、1回の食事量を増やすと同時に、補食を入れてエネルギーを補う必要があるのです。

例えば、12歳~14歳男子の食事を「3食+補食1回」にするとします。補食で300kcalをとるようにすると、3食でとるエネルギー量は2900kcal-300kcal =2600kcal。朝800kcal、昼900kcal、夕900kcalと分けるのが、1つの目安となります。

2リットル弁当箱には約2000kcalの食事

「食事量を増やさないと」と意識するあまり、中には「2リットルのお弁当箱と補食を持たせている」という話も聞きますが、お弁当箱に入る容量とエネルギー量はほぼ同じと言われています。2リットルのお弁当箱には約2000kcalの食事が入るので、本当にそれだけの量が必要なのか、体重の変化を成長曲線と比べて確認してみるとよいでしょう。無理に食べて消化不良をおこしていないか、食べても身にならないことがないように体調も確認してください。

今回は補食におすすめの「ツナカレーロールサンド」を紹介します。暑くなり、食欲が落ちてくる時期に、食欲をそそるカレーの香りが役立ちます。食べやすい一口サイズにするのもポイントです。

管理栄養士・田澤梓