「食べているのにやせてしまう」という相談をよく受けます。一般の方にとってはうらやましく思えるかもしれませんが、そう悩むアスリートは多いですね。特にこれから暑くなる時期、やせてしまうと体力が落ちてしまうので心配です。

特に朝食の量、欠食がないかを確認

家庭で食事を準備してもらっている場合は「食べている」「食べさせている」量が把握できていることが多いものの、自炊などで選手本人が食事を準備している場合、特に朝食や練習がない日にしっかり食べているか、その量を確認しましょう。昼食、夕食は「主食・主菜・副菜・乳製品・果物」を摂取するように心がけていても、朝食はおにぎりだけ、パンと卵料理だけといったことがありませんか。また、練習がない日は遅くまで寝て、朝食や昼食のどちらかを欠食したり、運動しないからと食べる量を少なくしたりしがちです。

毎日体重を測定、減っていたら「足りない」

では、「どれくらい食べたらいいの?」とよく聞かれます。体重、身体活動量から摂取エネルギー量は計算できますが、これはあくまでも目安でしかなく、各個人で毎日の行動や身体組成が違います。必要なエネルギーの過不足は日々の体重・体組成の変化で把握し、やせていくようなら足りていないということになります。自分の体の状況を知るためにも毎日、決まった時間に体重や体組成をチェックするようにしてください。

エネルギー源から食べる、脂質を上手に利用

「思うように食べられない」「食事量をこれ以上増やせない」といった場合は、エネルギーをとることを優先して主食・主菜を多く摂り、野菜・海藻などかさが多くエネルギーが低いものは食事の最後の方にするなど、食べる順番を変えることも工夫の一つです。

また脂質を上手に使うことで、食品の量を増やさずに、エネルギーを増やすことができます。例えば、「ごはん」を「チャーハン」にアレンジ、「サラダチキン」を「唐揚げ」にするなど、脂質を避けすぎることなく、料理に摂り入れるとよいでしょう。

今回は汁物からもエネルギーや栄養素がとれるように工夫した「豆腐の中華スープ」を紹介します。タンパク源として木綿豆腐、エノキやネギなどの野菜を加えた中華スープに、最後はゴマ油をたらしてエネルギーをプラスします。食欲が沸く汁物です。

管理栄養士・田澤梓