大学生の選手に、「自分の通う大学周辺でおすすめの飲食店は?」「好きな食べ物は?」と聞くと、すぐに話せる選手となかなか話せない選手がいます。

「食事は○○だけ」と自分の中でルールを決めていたり、普段から提供されるものを考えることなく食べるだけだったりする選手は、このような質問に答えられないことが多いように感じます。逆に食べることに興味を持ち、「食べたことのない飲食店にも入ってみたい」というように好奇心旺盛の選手は、食に関する情報も多く持っている印象です。

いずれ自立するための準備

いつでも安全な食事が提供される環境であれば、考える必要もありませんが、ジュニア期の選手はいずれ自立し、自分の体を自己管理できるようにならなければなりません。そのための準備として、家庭での食事も時には、普段は食べないものをテイクアウト商品で取り入れる、選手に食事を選ばせる、といったことも「食育」になります。

どんな食品を、どんな基準で選ぶか

選手自身が食材を購入して調理できるようになれば、自己管理能力がより高くなります。そのためには普段から、どのような食品を選んで購入すべきか、どんな基準で食品を選ぶべきかの知識を養っていくことが大切です。

例えば、決まった食料品店やコンビニだけでなく、いつもと違うお店で購入することも自分の判断基準を知り、食材の値段や相場を知る機会にもなります。選手自身が家族の食料品を購入する機会を増やせると良いですね。

今回は「桜餅」を紹介します。もち米を原料とする白玉粉を使っているので、糖質補給として補食にも活用できます。普段は和菓子店などで出来上がった桜餅を購入することが多いと思いますが、家庭でも作れます。桜の花や葉は製菓材料店で購入できます。普段、なかなか足を運ばない食料品店に行く機会になるでしょう。

管理栄養士・田澤梓