パフォーマンスを高めるサプリメントとして、最も高いカテゴリーレベルで評価されているものに「カフェイン」があります。カフェインの作用は、心筋の収縮能力の増強、血管拡張、注意力の向上、疲労感の軽減、平滑筋の弛緩、利尿作用です。

その作用はカフェイン摂取後、40~80分後にピークとなり、3~5時間で半分に減少するので、練習や試合の40分~80分前に摂取すると良いということになります。摂取量の目安は、体重1㎏あたり3~6㎎。体重60㎏なら180~360㎎となっています。

現実的でない「練習前のコーヒー4杯」

インスタントコーヒー1杯(粉2g)には80㎎、紅茶200mlには約60㎎、煎茶1杯(100ml)には20㎎のカフェインがそれぞれ含まれますが、体重60㎏の選手はコーヒー約4杯分を摂ることになるので、現実的ではありません。また利尿作用もあるため、運動中の脱水を招いてしまう可能性もあります。

しかも、習慣的にカフェインを摂取している場合、運動前60分にカフェインを摂取しても効果がないもと言われています。さらに体重1㎏あたり9㎎の以上と摂り過ぎると、副作用も生じます。

安易なサプリメントよりも基本の食事

大切な試合や練習で「良いパフォーマンスを発揮したい」という気持ちは誰もがもつものです。しかし、安易にサプリメントに走るのではなく、普段の食事から基礎体力をつけて、質の高い練習ができるようにすることが大切です。運動前は消化の良い「主食・主菜・副菜・乳製品・果物」をそろえ、食環境を整えていきましょう。

今回は「つみれとちくわぶ入りのおでん」を紹介します。おでんは温かい鍋物料理なので、体を温めることができます。つみれは揚げ物でないため、消化吸収が早く、タンパク質の補給になります。さらにちくわぶを入れることで炭水化物の補給もできるのでおすすめです。

管理栄養士・田澤梓