マラソンなどの長距離運動をすると、腹痛を訴える選手がいます。暑さや脱水によって症状が悪化することが多いので、原因は運動前の食事や補食と関連するのではないかと考えられています。

中でも、食物繊維、脂肪、高濃度の糖質液は胃腸障害の発症率を高めます。特に普段から炭水化物を控え、エネルギーの摂取量が少ない場合、競技中の炭水化物を吸収する能力が低下している恐れがあります。これが運動中の胃腸障害につながっている可能性があるので、運動前、運動中の糖質のとり方には注意が必要です。

いくつかの糖質を組み合わせて摂取

例えば、グルコース(ブドウ糖)が体内で代謝されるのは1時間で最大60gなので、これ以上摂取していた場合、腹痛や消化不良を起こすことがあります。

しかし、2時間以上の運動を継続するためには、糖質の摂取目標量は1時間で最大90gとされています。つまり、グルコースだけで糖質をとるのではなく、グルコースとフルクトース(果糖)を組み合わせて摂取する、マルトデキストリン(デンプンから作られた糖)とフルクトースを組み合わせて摂るなど工夫が必要です。

市販されているスポーツドリンクやゼリー飲料は、これらを組み合わせて作られているので、栄養成分表を見ながら必要な量の糖質を摂取するようにしましょう。スポーツドリンクは飲みやすさや味などが多彩で、好みも個人差があります。練習時から、色々なスポーツドリンクや糖質を含む飲料を試すことをおすすめします。「A社のスポーツドリンクでは腹痛になるけれど、B社のではならないので、B社のものを飲むようにしている」と教えてくれた陸上選手もいました。

普段から糖質をしっかり摂るのも効果的

また、腸は適応性があるので、普段から高炭水化物食を摂り、運動中も定期的に炭水化物の摂取を習慣にすることで、より多くの炭水化物を吸収、代謝できるようになります。その結果、腹痛などの胃腸障害が解消し、パフォーマンスの向上につながります。

今回は「鶏と大根のトマトしょうゆ煮」を紹介します。夏野菜のトマトをたっぷり使い、バジルとしょうゆの香りで、ご飯(炭水化物)がすすみます。アスリートは普段からたくさんの炭水化物摂取が必要です。食欲が低下しがちなこの時期に、ぜひお試し下さい。

管理栄養士・田澤梓