「この食品には栄養が豊富に含まれています」という言い方をよく聞きますが、実はこれは正解ではありません。どこが違うか、お分かりになりますか?

「栄養」とは、必要な物質を摂り入れて、体の成長や活動に役立たせる働き、または役立っている状態のこと。その栄養のために体外から摂り入れる物質は「栄養素」ですから、先ほどの文章は「この食品には“栄養素”が豊富に含まれています」が正解です。栄養素は体の構成成分を絶えず補充して、活動に必要なエネルギーを供給しています。

「スポーツ栄養」という言葉自体も、パフォーマンスが急に良くなる栄養素を示すのではなく、「運動やスポーツを行うために必要な物質を、その身体活動の状況に応じてタイミングや量を考えて摂取し、これを体内で利用すること」と定義されています。

ガソリンや部品は栄養素、走っている状態が栄養

栄養と栄養素を車に例えると、ガソリンや車のボディーを作る部品は「栄養素」で、車がガソリンを使って走っている状態が「栄養」ということになります。スポーツをするためにはタイミングよく、ガソリン(エネルギー)を補給し、ガソリンを効率よく使用できるエンジン(心肺機能)、スピードに耐えられるボディー(身体・体力)などを作っていく必要があります。

そのためには毎食、バランスよく食べることが重要。なぜバランスよく食べるかにについては、以前紹介した次のコラムを参考にしてください。

今回は、暑い日でも食べやすい「豚しゃぶパスタ」を紹介します。さっぱりとしていて、肉、野菜、穀類を一度に食べやすくしています。ランチなどでご利用ください。

管理栄養士・田澤梓

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