食事相談をしていると、増量や減量を目的とする選手から「体の脂肪を筋肉へと変えたい」と言われることがあります。脂肪と筋肉は別なものなので、脂肪が筋肉へ変わるのではなく、「脂肪量を減少し、筋肉量を増加させる」というのが正しい表現です。

筋肉を増やす(筋合成、筋肥大)ことは、とても地道な作業です。日々、特定の筋肉を使っていて、栄養状態が良ければ筋肉は維持できますが、刺激がなくなれば、栄養状態が良くても筋肉は減少してしまいます。

筋肉が増える仕組みとは

筋肉が増える仕組みを簡単に説明しましょう。まず、トレーニングの刺激によって筋肉が傷つきます(筋肉痛になります)。そこを、タンパク質(アミノ酸)を使って修復。この修復が完了するまで2~3日かかります(筋肉痛が治ります)。

再び筋肉に刺激を与え、筋肉が傷つき、また修復するという流れを繰り返し、長い時間を経て筋肉の厚みが増し、筋肥大が起こっているということになるのです。

つまり、一時的にタンパク質をたくさん摂取したとしても、その分、筋肉が大きくなるわけではありません。常に主食・主菜・副菜・乳製品・果物をそろえたバランスの良い食事をとり、栄養状態を良くしておくことが大切です。

今回は主菜と副菜のそろう「アサリのスープカレー」を紹介します。今の時期は身がふっくらとおいしくなるアサリ。ジャガイモ、ニンジン、タマネギと定番のカレー具材と一緒に楽しめます。

タンパク質の摂取量・タイミングについては、以下のコラムも参考にしてください。

管理栄養士・田澤梓