スポーツの現場で言う「リカバリー」とは、練習・トレーニングや試合で疲労した体を回復させることを意味します。各競技のトップレベルのアスリートは、トレーニングの効果を高めるために、トレーニングと同じようにリカバリーに気を配り、そのプログラムを考えます。

練習後のリカバリーは、栄養や水分の補給はもちろんのこと、クールダウン(ストレッチなど)、冷水浴(アイスバス)、睡眠などが挙げられます。正しいリカバリーを行うことで、次の練習の効果が上がり、パフォーマンスの向上につながるのです。

水分、糖質、タンパク質を素早く補給

栄養に関連するリカバリーとしては、水分補給に加え、糖質(炭水化物)とタンパク質を含むバランスの良い食事をなるべく早くとることがポイントです。時間が空いてしまう時は補食を準備しましょう。

<リカバリーの栄養ポイント>

水分補給=練習中に汗をかき、脱水状態になる前に水分を補給してリカバリーしましょう。発汗量が多い場合はナトリウムなどの電解質もとりましょう。
エネルギー源(糖質)の補給=練習で使った筋肉中のエネルギー源「グリコーゲン」を回復させるために糖質を摂取します。
たんぱく質=筋肉に負荷をかけるトレーニング(レジスタンストレーニング)では、筋肉を再構築(筋のリカバリー)するためにたんぱく質が必要です。また、たんぱく質は筋グリコーゲンの回復を助ける働きがあると言われています。

今回紹介するレシピは「アスリートバインミー」です。「バインミー」というのは主にベトナムでよく食べられているサンドイッチで、焼いたサバや豚肉、甘酸っぱいなますやコリアンダー(パクチー)をフランスパンではさんだものです。

アスリートバインミー」の具は、カレー味を効かせたショウガ焼き風の味付けにした豚肉、なますとコリアンダーなどにしています。パン(糖質)と豚肉(たんぱく質)との組み合わせ、さらに豚肉は糖質を体内でエネルギーに変える働きを持つビタミンB1が豊富なため、リカバリー(疲労回復)にも役立つ一品となっています。

コリアンダーが苦手な人は、シソやミツバ、スプラウトなども使っても良いですね。

参考文献:SAGE ROUNTREE著 「リカバリー アスリートの疲労回復のために」(山本利春 監訳)NAP Limited

管理栄養士・金子香織