なかなか体重が増えないと悩んでいる中学生ラグビー選手とある栄養士の会話です。

選手:たくさん食べているのに、体重が全然増えません
栄養士:どれくらい食べているの?
選手:昨日の夕食はご飯を3杯も食べました。おかずも肉も魚もあって、もちろん野菜もお腹いっぱい食べました!
栄養士:昼食は?
選手:母の作ってくれたお弁当を食べました!
栄養士:朝食は?
選手:昨日は、朝に時間がなくて…(声が小さくなる)パン1枚と牛乳です…。

夕食だけ「食べてる」選手多い

 この選手の体重の増えない原因は、朝食の量と内容に課題がありそうですね。「たくさん食べている」と言う選手と話をすると、しっかりと食べているのは夕食だけのことがよくあります。

 上述の選手の朝食は、6枚切りの食パン1枚(バター、ジャム)+牛乳コップ1杯で350kcal、タンパク質12gほどです。「朝食もたくさん食べる」に変えるだけでも、体作りの効果が出てきそうですね。

朝食も「基本の形」を意識

 朝食も、基本の「主食+主菜+副菜+果物+乳製品」を意識しましょう。食欲がない時には、具だくさんの汁物をプラスするのがおススメです。汁物はアスリートに必要な「炭水化物+タンパク質+ビタミン、ミネラル源」の各カテゴリーから1種類ずつ具材を選んで、各カテゴリーを補いましょう。

<汁物の具のおすすめ食材>

炭水化物を多く含む食材:ジャガイモ、サツマイモ、春雨、パスタなど ご飯やうどんを具にしてもOK
タンパク質を多く含む食材:肉、卵、乳製品やチーズ、ツナや豆腐、厚揚げ、高野豆腐など
野菜類:野菜全般(特に緑黄色野菜)、キノコ類、海藻など

<組み合わせ例>

①鶏ひき肉と春雨と小松菜の中華風スープ
②厚揚げとジャガイモとニンジンのみそ汁
③チーズ+牛乳とカボチャの洋風スープ(カボチャは炭水化物源と野菜を兼ねます)
 →レンジで柔らかくしたカボチャを、温めた牛乳とコンソメに入れ、食べる直前にピザ用チーズをのせる

 今回のレシピは①をアレンジした「うどん入り鶏ひき肉と小松菜のスープ」です。しっかりエネルギーを補給したい時には、うどんやパスタを汁物の具にしましょう。

【管理栄養士・金子香織】