強豪チームの食の現場をリポートする「寮めし」。連載最後の今回は、センバツ優勝3度の広島・広陵高野球部にスポットを当てます。同校の食育の原点は「笑顔で完食」。監督と一緒に取る昼食は、にぎやかな笑い声にあふれています。

前列左から3人目が調理部の島田さん。「おいしかったよ、と言われるのが一番うれしい」と話す(※写真撮影時のみマスクを外しました)

食事見直し全国制覇目指す

中井哲之監督(58)のこれまでの指導経験が食育に生きている。07年夏、野村祐輔(広島)―小林誠司(巨人)のバッテリーで準優勝を果たしたときだった。決勝戦まで進んだものの、猛暑の中での連戦に選手たちの頬はこけ、周囲から「広陵の選手は細い」と言われたという。

中井監督は、「もう1つ上、全国制覇をするには体を大きくせんといけん。練習量も多かったからですね。どうしたら体が大きくなるのか。それに見合うだけの食事を取らなければダメだと思ったんです」と振り返る。その秋から、食育に取り組むようになった。

この日のメニュー、鳥天、レンコンのそぼろ煮ピリ辛煮、サラダ、カキフライ(差し入れ)、みそ汁、ご飯、シュークリーム、牛乳

試行錯誤の連続だった。当時、すぐに取りかかったのは夜食。朝、昼、晩の3食に加え、寝る前、夜10時30分ころまでに大きめの茶わん1杯を食べさせた。

17年夏、中村奨成(広島)を擁し、再び決勝に進出したが、あと1歩届かなかった。何が足りないのか。「再び周りから広陵に足りないのはパワー、と言われたんです。体は大きいけど筋力がなかったんですね」。

OBからの差し入れもたくさん。チームを支えている

2年前には、野球部専用のトレーニングジムを造り、本格的にウエートトレーニングを導入。さらに食育も見直した。「腸内環境の話で、夜、寝る前に食事をすると、腸がずっと動いてしまい疲れが残ると聞いたんです」。空腹の状態で起床し散歩。朝ご飯から始まり、昼、そして練習後の晩ご飯をしっかり食べることで体重維持管理ができる。

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