<コロナ禍を乗り越えて:明大ラグビー部(下)>

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、明大ラグビー部は緊急事態宣言が出される前の3月下旬、チームを一時解散した。地元・兵庫県に帰ったPR大賀宗志(2年)が不安に思ったのは食事面。体重計が変わったせいもあるが、約1カ月で体重と体脂肪率がぐっと増えてしまったのだ。チームの管理栄養士・山田優香さんに「個人的に食事の写真を送って見てもらい、アドバイスをもらいました」。

毎食3~4品出ていた寮の食事よりも、おかずの数が減りがちだ。「タンパク質源を加えた方が良いと言われ、自分で刺身などを買ってプラスするようにしました」。自主練習は重ねていたため、ご飯量は300g、500g、500gと3食変わらず食べたが、普通牛乳から低脂肪乳に変えるなど脂質量を意識的に調整し、少しずつベストの状態に戻してきているという。

活動量が減り一時体脂肪が増えた

自粛期間中、運動量というより日常生活の活動量が減った。授業はオンラインとなり、外出禁止で動かない時間が増えたことで体脂肪率が増える選手が続出したのだ。思えば、寮から和泉校舎までの片道約20分の自転車をこぐことも良い運動になっていた。「ならば、大学まで通学したと思って1日20分はエアロバイクをこいだり、買い物は自転車でなく歩いて行ってみよう。パスをしながらグラウンドを歩いてみよう」といった日常でできるアドバイスを山田さんは示し、選手たちもそれにならった。

オンライン取材に応えた髙橋(左)と箸本

寮長を務めるLO/FL髙橋広大(4年)も「いつも通り食べていたら体脂肪率が1%増えた」という1人だ。「自主練習はしていたが、監督やコーチが見ている時と違って、どうしても強度が下がってしまう」として、バイクを20分ほどこぎ、ジョギングなどの有酸素運動を取り入れて活動量を増やした。食事量は変えることなく、翌月には元の状態に戻した。

NO8箸本龍雅主将(4年)はご飯量で調整。朝は200gに減らし、昼350g、夜300gにとどめた。「毎日20分走っていたからか、体力測定で(自己)新記録が出ました」と歯がゆい時間を過ごしつつも、コンディションキープに努めたと振り返った。

栄養だけではない完食してもらう工夫

「外食ができない状態というのはつまり、3食とも寮のご飯を食べるということ。活動量を整えたら、一時増えた体脂肪率が元に戻ったのを見て、改めて献立を妥協してはならない、と思いましたね」と山田さんは力を込める。

寮の食事は、高タンパク質低脂肪の献立が基本だ。しかし、ただ栄養価が計算された食事を提供すれば良いわけではない。おいしく、完食してもらって初めて意味がある。栄養はもちろんだが、味、量、見た目、またその状況に応じての提供の仕方が大切になる。

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