今回は、夏の甲子園で2連覇を達成した実績を持つ駒大苫小牧高(北海道)野球部をクローズアップします。優勝当時から取り入れている"食育"は今や同校の伝統に―。新しいシーズンに向け、選手たちは、ただいまパワーの充電中です。

選手を母の味で支える茶木和未さん(前列中央)と増田知枝さん(前列右から3番目)

練習前は大盛りご飯に卵と納豆

真冬の苫小牧、外はマイナス1度。平日午後4時。駒大苫小牧の室内練習場からは、炊きたてのご飯の匂いが漂う。

授業が終わった選手たちは、室内練習場の一角に集合して、大きな釜から炊きあがったばかりのご飯を、持参した保存容器に大盛りにして盛り付け、卵と納豆をトッピング。一気に、口の中へかき込んだ。

大きな釜で炊きあがった補食のご飯を、次々に食べる選手たち

朝2合半、お昼はお弁当、補食で1合。そして夜は3合食べるという。選手たちは、補食を一気に平らげると再び室内練習場へ戻り、元気な掛け声とともにバットを振り始めた。

この光景は、かつて2004年(平16)、05年夏と甲子園連覇を果たしたチーム取材でも見た。当時は、香田誉士史・元監督(現西部ガス監督)の下、同じように練習の合間に山盛りのどんぶりご飯を補食として食べていた。

左から北嶋洸太投手(2年)と藤原潤外野手(2年)

「食べられること」が大前提

現在チームの指揮をとる佐々木孝介監督(33)は、04年夏、全国制覇を果たしたときの主将だった。「補食を始めたのは02年、僕が1年秋から。当時は斬新だなって思いました(笑い)。でも、おなかが減らないのでその後の練習も集中できるし、食べる習慣がつきました」と振り返る。

まずは「食べられること」を大前提に、バランスよく何でも摂取できる体を作る。「食べられない選手は、夏を戦えません。バテるし、追い込めない。食べる子はケガがないし、風邪をひきません。食べることは最後、絶対に自分に返ってくることです」とその必要性を実感している。

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