選手の好みや意向をアスリート食に反映

「男の子はいつまでも、子どもの頃に食べていたものが好きなのよ」(鈴木さん)と選手はハンバーグ、カレー、オムライスといった定番メニューが好きなようだ。それらをうまく反映させ、25日にはクリスマスメニュー「ローストチキン」やミニケーキも用意される。駅伝出発日の29日の朝食は、恒例のお雑煮で出陣を祝う予定だ。

冷蔵庫など目につく場所には、栄養情報が貼られている
冷蔵庫など目につく場所には、栄養情報が貼られている

「食堂のお母さん」が選手から引き出した情報を栄養士に伝え、アスリートメニューに落とし込む。「この連携がうまくできているのが、うちの強み」と小川監督は言う。リオデジャネイロ五輪マラソン代表で昨年、39歳まで現役を続けた石川末廣コーチ(40)も「ここの食事はしっかり計算されているので、ちゃんと食べれば選手生命が伸びるのは間違いない」と断言する。

「みんなかわいくて、いい子ばかり。顔を見て、こっちが元気やパワーをもらっているのよ」と奈良さん。Honda陸上競技部を支える愛は、とてつもなく大きい。

フルーツ酢がブーム

Honda選手の「マイブーム」はフルーツ酢。食事のドリンクとして、好きなタイプを薄めて飲んでいる。最初、業務用の試飲で気に入った原が個人で購入していたところ、「それならここで買うわよ」と食堂で購入するようになった。「マンゴー、ブドウ、モモ…どれも飲みやすく人気です」(原)。鈴木さんは「酢の物が嫌いな子でもこれは飲むので、ご家庭でも試してみて」と話していた。

食堂に置かれたフルーツ酢。選手は好みのものを水や炭酸水で割って飲む
食堂に置かれたフルーツ酢。選手は好みのものを水や炭酸水で割って飲む

秘伝の鶏むね肉をおいしく食べる方法

献立全般として利用頻度が高い「鶏むね肉」。柔らかく調理する方法は色々あるが、この調理場秘伝の方法を教えてくれた。

(1)そぎ切りにしたら、フォークで刺して穴を開ける。
(2)クレイジーソルト、料理酒、オリーブオイルに漬けて味をしみ込ませる。
(3)皿に平らに並べてふんわりとラップをかける。
(4)電子レンジを低めの500Wに設定し、5~6分じんわり温める。高温でかけると破裂したり、硬くなるので注意。
(5)中まで火が通っていれば完成。

【アスレシピ編集部・飯田みさ代】