調理法と味付けで工夫

肉と魚の両方を提供し、緑黄色野菜とフルーツは必須。脂質の制限があるため、揚げ物や脂肪分の多いものは厳禁だ。このような規定の中で、いかにわが子を飽きさせずに楽しく食事させるかは悩みの種だが、紀伊龍二(1年)の母、裕子さんは「蒸す、焼く、炒めるといった調理法と味付けで工夫するようにしています」と教えてくれた。

このようにいくつかのルールや目標を設定してはいるが、大切なのはあくまでも選手の主体性だと橋本コーチは言う。年間の目標体重と、それを増やすための方法は選手自らが考える。

授業の合間ごとにおにぎり

昨季主将のFL細川大斗(3年)は、入学後順調に増えていた体重が3年時で頭打ちになったことを受けて、お弁当に学食メニューを追加。授業の合間にもおにぎりを食べ、最終的には17キロの増量に成功した。1度に多くの量を食べることができないCTB松下慶伍(3年)も、授業の合間ごとにおにぎりを食べて対策。試合後の食事には、消化がよく栄養バランスも高い、鍋料理をリクエストするのが定番だったそうだ。

3年生(松下、渡辺、細川)のお弁当
3年生(松下、渡辺、細川)のお弁当

先輩たちはもちろんのこと、現役部員たちの意識も高い。学食を利用する際は、掲示された栄養表示を比較検討し、高タンパク低脂質のメニューを選ぶ。「コンビニとかで何かを買う時も、パッケージの裏の栄養表示や原材料を見るクセがつきました」とFL高木颯太(2年)。

学食のメニューにはすべて栄養成分が表示されている
学食のメニューにはすべて栄養成分が表示されている

練習後には、激しい運動で消耗した栄養を補給することになっているが、この内容も「タンパク質と炭水化物をとる」というルールに基づいていれば、内容はなんでもOK。「体重が増えない」「食が細い」「通学に時間がかかる」など、部員たちはそれぞれの課題に則して食べるものをチョイス。プロテイン、牛乳、エネルギーゼリー、バナナ、サラダチキン、サバ缶…。部活後も、食堂のテーブルにはさまざまな食べ物が並んだ。

2年連続の花園出場を狙った同部は、都予選決勝でまさかの敗北。チームは代替わりし、新しい挑戦が始まっている。新主将のCTB守屋大誠(2年)は、「去年と比べてタレント力では劣っている。個々でなくみんなで戦い、最終的には花園で年越しをしたい」と目標を語った。

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