<2020年トレンド予想(下)>

アメリカの自然派食品スーパー大手「ホールフーズ」による2020年のグルメ・トレンド大予想の第2回は、環境問題に配慮した食品、食育に関するものを紹介します。

再生可能な農業

土壌の回復や生態系の改善、気候変動の防止に焦点を当てた再生可能な農業が注目されていますが、来年はそれが一層進むと見ています。

地元酪農家のオーガニック牛乳のみを使用し、工場は太陽光発電を利用するなど環境に配慮した持続可能なチーズ作りをするカウガール・クレマリーのチーズ

ハーゲンダッツの販売で有名な米大手食品会社のゼネラル・ミルズが今年の春、2030年までに農場100万エーカー(約4万平方キロメートル)で再生可能な農業を展開することを発表。オーガニックヨーグルトメーカーとして知られるストーニーフィールド・ファームや、埋め立て廃棄物ゼロの工場を実現させたヨーグルトなどでおなじみのダノン・ノース・アメリカなど、この分野に積極的に取組むブランドの商品や、環境問題に長期的に配慮した会社が生産する商品が人々の心をつかむとしています。

大豆を超えた植物由来食品

100%植物由来のフェイク肉「ビヨンド・ミート」がここ数年市場を席巻していますが、二酸化炭素排出量削減など、環境保全のために肉を食べない人は今後も増えるとし、そのため、代替食品となる培養肉がさらに進化すると予想。

大豆不使用の根野菜から作ったフェイクミート

大豆だけでなく、穀物や青豆として知られるリョクトウ、ヘンプシード、カボチャ、アボカド、スイカの種、ゴールデン・クロレラなどを素材とした食品が続々と出ており、さらにこれらを使ったフェイクヨーグルトなど乳製品の代替品も出てくると見ています。

シイタケとキヌア、ガーリックからできたビーガンバーガー

植物性油脂

バターの代替品として、スイカの種、アーモンド、カシューナッツ、ひよこ豆、ゴマを使った植物由来のクリーミーなバターがはやるとしています。

カシューナッツから作ったビーガンバターはバターの代替品として人気

ビーガン(完全菜食主義者)も食べられるビーガンバターは、トーストやベーグルに塗るだけでなく、セロリスティックにディップしてもおいしく大好評。すでに多くの企業がパーム油の使用を避けるようになり、環境への影響が少ない再生可能農業で栽培された植物やナッツを使った油脂などが流行するとしています。

アボカドとココナッツオイルのバター

子ども向けメニューの再考

アメリカでもいまや、日常的に寿司を食べていますが、子どもたちが安心して食べられるうま味成分を含んだグルメがブレークすると予想。単に健康的な食材というだけでなく、食育という観点からも子供が喜びそうな健康食品が増えてくると考えているようです。

子ども向けのスナックにも野菜が!

例えば、オーガニックのチキンナゲットや魚の形をしたサーモンのパテ、代替小麦粉を使ったカラフルなパスタ、パウチに入った天然サーモンやオーガニック野菜で作ったピューレなどが挙げられています。

忙しい朝でも気軽に栄養が摂れる野菜や果物を使った子ども向け食品

西アフリカの料理

2019年は「環太平洋生まれの食品」でしたが、来年は「西アフリカ」に。トマト、タマネギ、チリのほか、ピーナツ、ジンジャー、レモングラスなどを使った西アフリカ料理がクローズアップ。さらに、栄養価が高く「奇跡の木」とも呼ばれるワサビノキ科の「モリンガ」や調味料としても使われるマメ科の果物「タマリンド」などがブームになると見ています。

スーパーフードとして注目されるモリンガ

他にも、クスクスのような見た目とナッツのような風味を持つ古代穀物「フォニオ」、エチオピア料理の伝統的食材として知られるスーパーフード「テフ」、イネ科の穀物「ミレット」など、まだあまり知られていない新たな穀物がトレンドになるかもしれません。

【ロサンゼルス=千歳香奈子通信員】